【27.1%】 100年に1度の危機に、歴史は繰り返すか
3月末になってやっと決まった大型の20年度の追加予算に引き続き、4月に入って今度は21年度の補正予算が決まりました。財政支出規模では総額15兆4,000億円にもなるとか。赤字国債の発行という禁断の果実をかじることも辞さないと、麻生首相は決意を表明しているようですね。
嫌が上でも効果への期待値は高まるわけですが、報道を見る限り、どうもネガティブな論調が目立つように感じ、いつものことながら、どうしてそうなるのかとがっかりしてしまいます。
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そんな中、ロイターが配信している記事でユニークな意見を見つけました。
「株式市場は追加経済対策を材料に買う動き活発化」
(2009年4月10日付けニュース、以下5項目引用)
- 過去の株価低迷期に大型の経済対策が出されたケースを検証すると、株価は底値から5割前後上昇した経験則がある
- 80年代後半のバブル経済崩壊以降、相場が低迷する局面で大型の財政支出を伴う経済対策が打ち出された後の株価は大幅に上昇した経緯がある。
- 92年8月の宮沢内閣時の対策では、日経平均が同年8月18日安値1万4,309円をボトムに翌年9月まで47.7%の上昇
- 95年9月の村山内閣時の対策では、同7月3日安値1万4,485円から翌年6月まで56.4%の上昇
- 小渕内閣時の98年11月の対策でも、98年10月9日安値1万2,879円から61.7%上昇
歴史を振り返れば、その効果は確実に上がっているようです。今回の危機において、3月10日に日経平均株価は終値ベースでバブル崩壊後の最安値7,054円を記録していますが、その後急激に盛り返して、4月10日では終値8,970円まで回復。ちょうど1ヶ月で【27.1%】の急上昇となっています。歴史の通り、5割程度回復すると仮定すれば、1万500円くらいまでは戻りますから、ちょうど今は半値戻しということになります。これはあくまでも計算上、という話ですが、年度末をはさんだ経済対策2段ロケット発射と株価急上昇は、シロウト目にもきれいにリンクしているように見えます。
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さて。100年に1度の危機に、歴史は繰り返すのかどうか。景気動向を考えるとき、評論家諸氏の指摘やメディア報道も気になりますが、大事なことは事実を冷静に見つめることだと思います。数字は正直です。もちろん株価だけが景気のバロメータとは言えませんが、有力な先行指標のひとつであることには間違いありません。後は実感値が伴うかどうか、というところでしょう。
そろそろ桜も終盤といったところですが、このところ、春を通り越して初夏の陽気となっています。気温と同じく、景気も急上昇といきたいところですね。。。