【8.5%】 Macシェア拡大の救世主となるか(1)-子ども向けのTTMに、大人が参加してみた
iPod、iPhoneと、たてつづけに若者の心を捉える製品をリリースしているAppleですが、PC本体(Macintoshシリーズ)では、まだまだWindows搭載機に比べて低いシェアにとどまっています。最新のデータで、MacintoshのPC市場におけるシェアは【8.5%】(Gartner社調べ)であり、PCベンダーの中で第5位となっています。iPodのビッグヒット以降、順調に売上を伸ばしてはいるものの、PC市場におけるシェアを見る限り、劇的な変化はありません。
元々、Macは教育系・デザイン系・医療系などの特定領域で強い支持を集めてきましたが、ビジネス全般や一般家庭でのシェアは未だ高くありません。今や若者にとってのAppleは、iPod&iTunesであり、iPhoneなのでしょう。Appleにとっても、Apple ComputerからAppleに社名を変えた時点で、PC単体のシェアを云々することは意味のないことだと思っているのかもしれません。でもやっぱり、AppleのコアはMacintosh(だと私は思っています)。今後の動向はいつも気になる存在です。
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そんな中、Appleが展開を始めたTTM(Touch The Mac)と題したキャンペーンに着目しています。TTMは、文字通り“Macに触ろう!”をスローガンに、子どもや学生などを主な対象としたワークショップです。非常に地道な手法ではありますが、優れたMacのユーザーインターフェースを生で体験してもらい、Macファンを増やそうというわけです。
この夏は、TTM夏休みスペシャルとして、子どもたちを対象に3コースを開催。
1. はじめてのMac
2. もっと気軽にムービーで遊ぼう
3. マウス操作で簡単!オリジナルホームページを作ろう
という3プログラムで、Macに触ったことのない子どもたちも楽しめるようなコース設定をしています。実はこのTTM、Apple Apple Japan本社以外にも、各地のStoreなどでも開催される計画があるとのこと。そのデモンストレーションイベントが、AppleJapanの協力により中部大学のDigital LABで開催される機会があり、こっそり学生に混じって参加させてもらいました。私が体験したのは、上記2.のプログラム。これは、すべてのMacシリーズに標準でインストールされているアプリケーション・iLifeを活用し、文字通り気軽に映像編集を楽しもうというものです。
プログラムは、Appleの認定トレーナーが講師を務め、分かり易く指導してくれます。まず、iLifeの中の映像編集ソフト・iMovieを使って、デジタルビデオカメラで撮影した映像を編集・加工。さらに、音楽編集ソフト・GarageBandを使って、BGMを作成し、最終的に合体して映像作品に仕上げていきます。iLifeは、写真や動画の編集、Webコンテンツの作成やDVD作成など、いわゆるエンタメ系ソフトが統合されているアプリケーション。操作はかなり直感的で、私はiLifeを今回初めて操作しましたが、PCやゲームマシンに慣れた子どもたちなら、違和感なく慣れることができそうな印象です。中でもGarageBandは、プリインストールされているサンプル音源も多彩で、それを加工するだけでかなり楽しめますが、一から自分で作曲も可能。今回はトータルで90分のプログラムでしたが、あっという間に時間が経過してしまいました。
子ども向けというTTMですが、正直、大人でも十分に堪能できる内容でした。できあがりもかなり本格的なレベル。もしかしたら、子どもよりお父さんが熱中しちゃいそうな印象を受けました。“お父さんのためのオリジナルムービー作成講座”みたいなプログラムがあったら、きっと喜ばれるんじゃないでしょうか。
とっても地道な手法ではありますが、リアルにMacの良さを実感できるプログラムとして、TTMは仕上がっていると思います。今後はいかに多く、この機会を提供できるか。“触った”人の数をいかに増やせるかに、シェア拡大のカギがあるのではないでしょうか。。。