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2010年のTwitterユーザー、2009年と比べてより社交的に?

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以前からTwitterに関する調査結果を発表してきた米Sysomos社が、また興味深いレポートを公開しています(via ReadWriteWeb):

Twitter Statistics for 2010 - An in-depth report at Twitter´s Growth 2010, compared with 2009

副題に「2009年と比較して」とあるように、このレポートの面白さは一年前から何が変化したかを把握できる点。ちなみに比較対象となった2009年時点での調査結果はこちらで確認することができます

それではどんな発見があったのか。ハイライトとして、以下のような結果が紹介されています:

  • 100名以上のフォロワーを持つユーザーの割合が21%(1年前のおよそ3倍)へと増加した
  • 全ツイートの90%は、22.5%のユーザーによって投稿されている
  • 80%のユーザーは500ツイート以下しか投稿していない
  • 自己紹介欄に最も登場する名前は「ジャスティン・ビーバー
  • プロフィール欄に位置情報、自己紹介、ウェブサイトを記載するユーザーが増えている

特に興味深いのは最後の項目。本当のことを記入しているとは限りませんが、自分の個人的な情報を公開するユーザーが増えたということになります。詳細を見てみるとこんな感じ:

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自己紹介欄を記入するユーザーの割合は、31%から69%へと2倍以上に。

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名前を記入するユーザーの割合は、33%から73%へと同じく2倍以上に。

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位置情報欄を記入するユーザーの割合も、44%から82%へとほぼ倍増しています。これらの結果から読み取れる変化とは何でしょうか?

まずは「よりビジネス的な活用が進んだことの現れ」という解釈ができるかもしれません。Twitterのビジネス活用(大企業だけでなく、個人商店やフリーランスの人々も含めて)は2009年以前から行われていたわけですが、2010年はそれに輪をかけて様々な活用法が現れた一年でした。そしてTwitterを通じて自社/自分自身をPRし、仕事につなげるためには、まずは「自分が何者か」を明確にする必要があります。従って名前や自己紹介欄を書き入れるユーザーが増え、上記のような結果につながったのではないか――そんな仮説を描くことができるでしょう。

もう1つ、個人的にはこちらの仮説を支持したいのですが、Twitterがより交流を広げる場として信頼され、活用されるようになってきていることを示しているのではないでしょうか。いくらソーシャルメディア系のサイトであっても、それが怪しげな場所だったり、あるいはそれほどの交流が望めそうもない場所であれば、積極的に個人的な情報を開示しようというユーザーは増えないでしょう。個人情報を開示してもスパムを呼び寄せる恐れが低く(あるいはスパムをブロックすることが可能で)、逆に開示することによって様々な人々とのつながりを構築できる可能性が高い。そのような認識がTwitterユーザーの間で広がったのだと考えられるかもしれません。

いずれにせよ今回の調査結果は、Twitterにはユーザーの増加という量的変化だけでなく、何らかの質的変化が起きていることを示しているのかもしれませんね。2011年が終わるとき、Twitterがどのような姿を見せているのか楽しみです。

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