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組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

『 ONE minute 』

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あなたは1分間で相手を納得させることは出来ますか?

ビジネスマンの交渉術に、エレベーターに乗っている時など、限られた時間(30秒~1分)で簡潔に行うプレゼンを「エレベータートーク」と呼ぶことがあります。
先方企業への大切なプレゼンテーションの際にお客様から"時間がないのでポイントを絞って端的に伝えてください"と言われたら、対応できるでしょうか。

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プレゼンテーションは自社の提案を行う絶好の場面。たっぷり時間をかけたいところですが、毎回時間が保障されているわけではありません。特に先方に決裁者の方々が何名もいる場合、会議に参加できる時間が限られている場合も想定されます。

プレゼンを成功させるために、「前提を伝えて、背景を話して、情景が思い浮かぶような話をして...」など考えていた場合、どれも大切な内容であるため、1分なんかではとても無理!と思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、1分間"しか"ないと考えるのではなく、60秒"も"あると捉えてみてください。短時間と思いがちですが、案外時間はあるものです。
そこで、短時間の中で相手を納得させるには、どのようなことを考えておくと良いか、3つのポイントに絞ってみたいと思います。

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■『その1』 プレゼンテーションの目的を明確にする
プレゼンテーションにおいては、そのゴールがどこにあるかをはっきりさせておかないと、話す側も聞く側も曖昧になってしまいます。今回は自分のクライアント(相手に)、自分の提案を理解してもらうだけでよいのか、もしくは最終的に行動(購入)してもらうことが必要なのか。それだけでも、伝え方、話し方、構成なども変わってきます。短時間で話す場合には、特に意識しておきましょう。

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■『その2』 論理的(ロジカル)に話す
短時間で相手に効果的に伝えるには、論理的に話すことが必須となります。しかし"論理的"という言葉を聞いただけで、苦手意識を持つ方が多いかもしれません。

では、論理的(ロジカル)とは何なのでしょうか。
「意味がつながっていれば、ロジカル」(引用:「1分で話せ」)とありますが、つまり「話の筋道が通っている」か、通っていないかです。

小さな子どもさんが自分の話したい内容をあれもこれも話しているうちに、何を話しているのかわからなくなるときがありますよね。つまり冒頭の話と、終わりの話に整合性を持たせるだけで、"論理的に話す=筋道を通して話す"ことができるのです。

論理的な話し方を助ける方法としては、様々なフレームがあります。
 ・起承転結
 ・PREP法(point:結論、reason:理由、example:事例、point:結論の順に話す)
 ・三段論法(大前提、小前提、結論の順に話す)

このように内容をまとめて話す方法は様々あります。状況に合わせて使うことが出来ますが、特に短時間で相手に効果的に伝えるには"PREP法"がお勧めです。これらはトレーニングによって習得可能ですので、身につくまで何度も話してみると良いでしょう。

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■『その3』 話すスピード
短時間だからといって焦って話すと、話の内容が相手の頭に残らず、せっかくのプレゼンテーションを台無しにしてしまいかねません。一方でゆっくり話していては時間切れの可能性もあります。相手に伝わるように話すための適切なスピードはどのくらいでしょうか。

NHKのアナウンサーがニュースを読む速度は、1分間に約300文字。このくらいの分量が、聞いていて頭に入りやすいスピードの基準になります。是非ニュースを見ながら口まねしてみてください。意外とゆっくりであることに気がつくかもしれません。

決して沢山話せば伝わるのではなく、伝えたいことが、"論理的=筋道が通って"いれば、ゆっくりとしたアナウンサー口調のスピードでも十分に伝わるといえます。

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「1分間で伝えられないことは、何時間話しても伝わらない。」(引用:「1分で話せ」)

まさしく1分間でまとめられない話は、いくら時間をかけて話したところで、相手を納得させることは出来ません。プレゼンテーションだけでなく日頃から論理的に話すことを"意識"していれば、いざというときにも役に立ちますので、ビジネスマンとしてのスキル向上が望めるのではないでしょうか。

人材開発コンサルティング事業部
本庄雅子

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