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エクゼクティブコーチング・リーダー育成の現場から、思ったことや考えたこと、学んだことをつれづれなるままに発信してゆきたいと思います。リーダーなんてなりたくないという声も聞きますが、リーダーはカッコイイ!。一人一人がリーダーシップを持つ世の中の実現のために取り組んでいます。

サーバントリーダーになれる人、なれない人

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エクゼクティブコーチングといって、経営者やリーダー向けのコーチングをやっていると、かえってこちらのほうが恐縮してしまうぐらいのできごとや素晴らしい人格者との出会いもあります。

震災直後には先方から安否確認の電話やメールをいただいて、「上田さん無事だったの?」というご心配をいただき、雑談の中で私がやりたいと思うことや真剣に目指している世界を話すと、私以上に情熱的にサポートしてくださる方にもお目にかかりました。

まさに彼らのことを「サーバントリーダー」と呼ぶのだなと感じ、まだまだその域に行くまでにはエネルギーと時間が必要であるということも姿勢で学ばせていただいているような気分です。

以前リーダー塾でこんな話を聞きました。「自分は、サーバントリーダーとして組織に貢献したい!」その言葉を聞いたとき、「なんだかわかるような気がするけど、なんだかしっくりこないなぁ。」そう思いました。私には少し自己欺瞞的な考えに受け取れたのです。実はいまでもそのことについては個別に会話していないまま時間が過ぎています。彼が自分の職場やチームでサーバントリーダーとして認識され、チームに貢献できているのかという事実はさておき、サーバントリーダーが人々を魅了するということはとても強烈に私に残りました。サーバントリーダーには、「傾聴」「共感」「概念化」「気づき」「成長へのコミット」「コミュニティーづくり」など10の属性が必要とされています。この共感型モデルの表面だけをなぞると自分の価値に十分あてはまるという方も多いと思いますが、当時の私にはその奥深さがきになってしかたがありませんでした。コーチと同じように、Doingである行いや行動やスキルを身につけれるだけではまだ半分。リーダーとしての姿勢である、Beingも同じぐらい関わる人たちから注目されるとおもうと、気軽に目指せるような世界ではないような気もしたからです。

サーバントリーダーといえば、資生堂で社長を務めた池田守男氏が私の知る有名どころですが、組織やプロジェクトのメンバーを支援して結果に導く奉仕型のリーダースタイルとして認知されるようになりました。実際に池田氏はクリスチャンでもあったようで、奉仕的・貢献的という考え方そのものが若い時から身についており、女性中心の資生堂というフィールドでの組織と、世の中で真肌ケースの少なかった女性リーダーの育成というところにとても好相性であったにちがいありません。

ある程度の成果や結果を生み出した人や、自らが本気でなにかに取り組んでいる人がどこか同じような空気感を持つ人に支援的に関われる姿を見ていると、サーバントリーダーには自らがリーダーであることとの両輪が求めらるのだと最近改めて思います。私たちがどこか手を抜いて楽をしたいと思っている仕事人の言葉を相手を見て受け取れないと感じるのと同様に、経営者でもアスリートでも政治家でも教師でも、その言葉を届けられる筋肉がついているひとには共通の背景があることに気が付きます。

チーム内やリーダーとしてのコンフリクトや失敗をさけるためにサーバントリーダーシップという考えがあるわけではありません。どんなリーダースタイルであっても、本当に自分が情熱的であり、多くの人にとっても共感できるような内容や出来事であればひとは心を動かされるものです。サーバントリーダーというのは自分がなるというよりは、結果として周囲からその冠を頭にのせてもらえるような人物なのではないでしょうか?そして私もその果てしない道をいつからか歩き始めてはじめて、まだまだ道が果てしなく伸びているのだとつくづく感じます。

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■■ 上田雅美 [株式会社アネゴ企画・エクゼクティブコーチング・組織開発支援]
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