「走れ！プロジェクトマネージャー！」

　時折、「あいつは伸びない」という言葉を聞くことがあります。よくよく聞いてみると、「最初は、お！結構出来るじゃん！と思ったのだが、しばらく付き合ってみると、最初に出会ったときからほとんど伸びない。」ということだそうです。
　これは、その人の特性もあるのでしょうが、日本人の特性というように言われることもあります。今まであったことを踏襲するやり方は得意なのですが、そうではない創意工夫を求められた途端、苦手な領域に入ってしまう、と言われているようです。う～ん、思い当たるような。（痛
　この絵を見ていただくと分かりやすいかも知れません。相手が新卒の頃が左端のラインだとします。最初はなかなか伸びない。で、A時点を過ぎた頃から、一皮むけたと言われるように、一気に伸びたりします。で、ある程度まで伸びると今度は少しずつ伸びる。
　A時点で出会った人は、「おっ！あいつ伸びたじゃん！」と喜んでくれます。ところが、B時点で出会った人は、既に一度伸びた後ですから、最初は「なかなか出来る！」と褒めちぎるのですが、その後の伸び方が地味なため、不満を感じてしまいます。B時点が期待を上回っていればいるほど、その後の不満は増大してしまいます。
　こういう理論を理解せずに、「あいつは出来ない。伸びない。成長しない。」と不満をぶちまける方は、今一度相手をきちんと理解してみる努力をすべきではないかな、と考えています。
　僕自身も、以前はよくこういう不満を感じていました。しかし考えてみると、相手の時期・特性といったものを無視しても、ただの愚痴でしかないことに気づきました。
　相手を理解し、より相手にあった指導をしていく。相談に乗ってあげる。そういう姿勢が、マネージャーには求められるのではないでしょうか。