「走れ！プロジェクトマネージャー！」

　どうも年が明けて、妙に気が大きくなったのか（苦笑）、大きなタイトルにしてしまいます。内容がタイトルに負けないようにしなくては。
　IT業界は、2000年2月にバブルが弾けたと言われ、株価が暴落しました。何をもってバブルか、何をもって弾けたのかという議論はさておき、世間ではそのように評価されています。それまでもて囃されたシステムエンジニア職も、一気に応募希望者が減りました。
　今まで大規模に開発されていたプロジェクトも少なくなり、小さく産んで育てていくスタイルのプロジェクトに変わってきました。それだけ、開発プロジェクトのスピードとビジネスの動くスピードに同期が取れていなかったのだと認識しています。
　小さいプロジェクトしかなく、期間も短い。だから必然的にエンジニアの仕事が少なくなります。頼みのアメリカからの輸入型ビジネスも、テロ以降めっきり無くなっていました。それがここに来て、Googleの登場＆上場など話題が盛りだくさんになってきたことで、IT業界にバブル再開か、などと騒がれています。

　僕個人としては、バブルと表現するのは適切ではない、と感じています。なぜなら、その間にブロードバンドの普及という通信業界の努力があり、携帯電話業界が再編を繰り返す過程で、携帯電話の更なる普及に貢献したことで、有線・無線のインフラが整ってきました。以前のように、ホームページを作るだけで会社を設立するといったことは難しいですが、インターネット上で使うモノを武器に上場を目指す会社は次々と出てきています。RSS、ブログ、SNSといったキーワードを持つ会社です。
　バブルと呼ばれた時期と大きく違うのは、何でも手がけるのではなく、一点集中型になってきたことかも知れません。また、iPod、iTuneによって力を付けたマッキントッシュの再来も要因の一つかも知れません。（その陰で、マッキントッシュのシンクライアントを導入する会社も出てきていますが）
　今回は、どの会社もテーマ（キーワード）を掲げていること。また、多数のキーワードが出てきていること。そして、彼らの持つポテンシャルは高いことです。
　「ブログなんて、技術的に簡単だよ」とか「RSSリーダーなんて、誰でも作れるじゃん」という方もいるのは事実です。しかし、では彼らに作ることが出来たか。答えはNOです。理由は、ユーザー視点ではない人には出来なかったと考えられるからです。ユーザーの視点で、使い勝手、ユーザー・インターフェースを作り込むことが出来るか。これは、技術レベルの高さとは連動しません。いくら技術力があっても、使い心地というもの理解するスキルとは別物だからです。QA（Quality Assurance）という言葉がありますが、これは単純にシステムテストと訳すのは間違いだと思います。QAとTQA（テクニカルQA）は別物だからです。テクニカル的に見るだけではなく、ユーザーとして使い勝手が良いとか悪い、といった視点が必要になります。
　いま世の中にあるRSSリーダーやブログ、そしてSNSは使い勝手という視点では、十二分に考え込まれています。（全てではありませんが）それは、昔のように技術者だけで作っていないからだと思います。技術者ではない人間も入れて、様々な視点を持って作り込んでいるからだと。
　そして、それらが動き出したとき、ブームが到来するのだと思います。いまブログはブームです。しかし、今後廃れるかどうか、は作り手にかかっています。
　その昔、カラオケがブームになった時代があります。（まだ、8トラックだったような・・・）カラオケは今ではビル1棟借りるほどの規模のものもありますが、今はブームとは言いません。カルチャーになったのだと思います。その文化は海外にも進出し、中国では卡拉OKと呼ばれ親しまれています。その他の国でも同様です。
　ブログがカルチャーになる日、SNSがカルチャーになる日は、案外近いのかも知れません。IT業界のチャンスは、ここ2、3年の間が勝負ではないかな、と思ったりしています。

　今日書店に行ったら、ついつい手に取ってしまいました。「ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」という本です。