Oracle、日本市場に向け、5つのOracle Cloud Platformコンポーネントの提供を開始
2015年4月9日、日本オラクルは国内市場に向けて次の5つのPaaSサービスの提供開始を正式に発表しました。この記事はその発表内容を整理したものとなります。
- Oracle Database Cloud Service
- Oracle Java Cloud Service
- Oracle Developer Cloud Service
- Oracle BI Cloud Service
- Oracle Documents Cloud Service
この発表に先立ち、日本オラクル株式会社副社長執行役員でデータベース事業を統括する三澤智光氏は、クラウド導入が進み、さまざまな課題が表面化していると指摘しました。それは、開発者にとっては「複雑性の増加」、IT管理者にとっては「ITコストの増加」、ビジネスユーザーにとっては「効率性の欠如」といったものです。このようなクラウド環境の課題を解決するため、Oracleが提供するPaaSは5つの戦略的優位性を誇りり、顧客の問題解決に貢献できると三澤氏は主張しました。
エンタープライズ向けの統一されたテクノロジーによるクラウドサービス
顧客にとってこれまで構築してきたアプリケーションやデータは非常に重要な資産であり、これらを完全に廃棄してゼロから再構築することは現実的ではありません。今はレガシーなオンプレミスのアプリケーションであっても、モダンなクラウドアーキテクチャーで稼働するよう、オンプレミスとクラウド双方が同じアーキテクチャー、同じ知識・ノウハウをベースとした製品設計になるよう配慮されています。
全てのレイヤーで幅広いサービス(SaaS、PaaS、IaaS)を提供
現在のクラウドサービス市場は、特定領域のSaaS、IaaSから先行して導入が進んでいますが、PaaSで市場プレゼンスの高いプレイヤーはごく一部に限られます。Oracleの場合、JavaとSQLの開発者ベースを抱えており、クラウド開発者を育成するために必要な分厚い基盤を有しています。また、ハードウェアビジネスを展開しており、アプリケーションから、プラットフォーム、インフラストラクチャーに至るまで幅広いサービスを顧客に提供することが可能です。
2つのインフラを柔軟に選択可能
Oracleの顧客の中には、オンプレミスでバッチ処理や大量トランザクションをこなすためにExadataに代表されるEngineered Systemを採用しているケースがある。このような顧客が資産をIaaSに移しても、制限がありうまく活用できないことがある。そのため、Oracle Cloudのインフラストラクチャーは汎用システムだけでなく、Engineered Systemも選択できるよう配慮しています。
最も包括的なPaaSを提供可能
今回、日本市場に投入されるコンポーネントは上記の5つですが、その他にもBig Data、Internet of Things、Mobileといったさまざまなコンポーネントが追加投入される予定であり、Oracle Cloud Platformは最も包括的なPaaSとして市場浸透していく見込みです。
Oracleが提供するSaaSと同一基盤をPaaSとして提供
Oracle Cloud PlatformはOracle SaaSの基盤と同一のものであるという非常にユニークな特徴を有しています。例えば、Oracle ERP Cloudを利用している顧客がサービスをカスタマイズしたいと考えたとき、商用と同じPaaS上で開発されれているため、アドオン機能を容易に開発することが可能です。
三澤氏は、今回発表する5つのサービスは、顧客のミッションクリティカルなシステム資産を大切に守りながら未来のSaaSにつなぐことを加速させるためのプラットフォームになると述べ、説明を結びました。また、三澤氏は、今回のPaaSの展開を統括するProgram Management Office の責任者に就任するとのことであり、日本オラクルは、2020年までに日本でNo.1 Cloud CompanyになるというVISION 2020を達成に向け、クラウド技術者の育成、顧客への検証環境の提供、パートナープログラムの拡充も含め、クラウドビジネスをさらに加速させていく見込みです。