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IT技術者教育に携わって25年が経ちました。その間、変わったことも、変わらなかったこともあります。ここでは、IT業界の現状や昔話やこれから起きそうなこと、エンジニアの仕事や生活について、なるべく「私」の視点で紹介していきます。

【本の特盛り】そういえば書籍紹介の連載をしていたことをまた思い出した

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かつて「IDGジャパン」という出版社があった。「月刊Windows Server World」の会社といえば分かる人も多いだろう。2009年に雑誌メディアから撤退後はWebで展開していたが、結局は日本から事業を撤退した。日本法人が解散した直後に日経BP社と提携し、会社経営の厳しさを知ったものである。ちなみにIDGジャパンが使っていたDNSドメインは、現在全く別の会社が使っている。

「Windows Server World」に連載していた記事の多くはこのブログと、「Go, Go, Go, in Peace」に転載したが、他にもいろいろ残っているので、今さらだが順次転載していこうと思う。

見出しに入っている「本の特盛り」は、書籍紹介の連載タイトルである。ただし、記事は2012年頃のものなので、今となっては入手できない本や紹介する価値のない本も多い。必要に応じて加筆したり、省略したりしていることをお断りしておく。また、既に転載済みのものも多いので、もちろんそれらは扱わない(たとえは【書籍紹介】世界を変えた1枚のディスク 3.5インチフロッピーディスク開発物語などである)。

今回は序文だけで、書籍紹介は次回からである。


読書離れが叫ばれて久しい。特に近年は、インターネットの発達とWebサイトやブログの普及により、実際に紙の本を読む必要性は減っている。そのため、出版社の収益が悪化し、需要が見込めない企画を敬遠するようになった。こうして書店には似たような企画の本ばかり並び、ますます読者が離れていく。

しかし、評論家の岡田斗司夫は月刊SPA!誌のインタビューでこう語っている。

本という無駄な紙の塊の中から、自分がここだって思うことを抜き出すのって脳の筋力なんです。筋力が落ちてるのに、どんどん歯当たりの良いモノばかりを出されてきて、それを咀嚼すればいいと思ってるんですけど、筋力が落ちてるから栄養価として取り入れられないんです。カロリーばかり高くて脳が肥満化してるんです。なので主食が本、ネットはおやつ。

記事になる前の全インタビュー内容を起こしたものが、岡田斗司夫公式ブログに「日刊SPA!「現代のオトナが捨てるべきこと『ネット、トレード、自分探し』」インタビュー・ノーカット版」として掲載されているので、興味を持たれた方はぜひ全文を読んで欲しい。

岡田斗司夫は著書「あなたを天才にするスマートノート」で「頭は工場ではなく農地である」と書いている。どんなに優れた肥料でも、種から実がなるまでの期間を3日にすることはできない。ただし、農薬など即効性のある対応も必要な場合がある。無農薬をうたう農家でも、木酢液などの虫除け成分を使うことはある。

本連載では、主食としての本を紹介し、知的咀嚼力を高めるためのヒントを提供したい。ジャンルは技術書と一般書の両方を扱う。理由は2つある。1つは、技術だけに偏るのは、脳の地力(知力)を高めるために十分ではないと考えるからだ。もう1つは、筆者自身がそんなに技術書を読んでいないため、多くは紹介できないからだ。


【参考】Windows 2000 World

「月刊Windows NT World」のムックとして登場した「Windows 2000 World」。その後、雑誌名も「Windows 2000 World」に変更された。

広告企画とインタビュー記事を除くと、ほぼ全てを私と同僚が担当した。同僚の原稿もすべて私が目を通しており、思い出深い1冊である。

Windows2000World.jpg
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