Advent Calendarはじめます
年末になると「Advent Calendar (アドベントカレンダー)」が始まる。もともとはイエス・キリストの誕生日を待つ期間(advent:待降節)の行事だが、IT業界では単に「12月1日から25日までの毎日ブログ企画」くらいの意味である。
キリスト教を信じていなくても(むしろ、信じていないから?)、クリスマスはお祭りみたいなものだし、アドベントカレンダーも「秋の読書週間」みたいなものだと考えておけばいいだろう。
勤務先のトレノケートでも、今年から「トレノケート Advent Calendar 2018」として、アドベントカレンダーをはじめることにした。
会社の公式ブログは、広報部が中心になって運用しているのだが、記事を集めるのには苦労しているようである。仕事が忙しくなるとどうしても後回しになるし、たいていの人は年中忙しい。
そんな状況なので、広く社員から募集するとは言え、1日1コンテンツ合計25の記事が集まるかどうか不安だったが、現時点でほとんどの日程が埋まった。最終的に、1人でいくつもの記事を書くことを覚悟していたが、どうやら2つ程度で済みそうだ。
アドベントカレンダーの企画は、前回紹介したMicrosoft Teamsで行われた。テーマの相談と決定や日程調整など、すべてTeamsだけ行われメールは補助的に使われただけである。新しいコミュニケーションツールはなかなか使われないものだが、今回は非常にうまくいった。
うまくいった理由はよく分からないのだが、以下の2つの理由だと推測している。
- 目新しかった
- 使い勝手が良かった
ただし、「目新しかった」はあまり理由にはなっていないと思う。個人環境と違って、仕事では新しいツールを避ける人が多い。実際、過去に導入したコミュニケーションツールで、最初から広く使われたものはない。
使い勝手の方はどうだろう。Microsoft Teamsは、取りたてて便利ということもないが、分かりにくいインターフェイスではない。実は「分かりにくくない」というのは大変重要なことで、世の中には「分かりにくい」システムが山ほどある。
そして、使い勝手が悪いというだけで使われないツールは案外多い。私の先輩は、「社内メールが使いにくい」という理由で、メールを数百通以上未読のままため込んでいた。当時使っていたシステムは、メールだけでなく、さまざまな業務システムとも統合されていたが、メニュー階層が分かりにくく、よく人に聞いていたものである。
「そんなにメールを(読まずに)ためたら、仕事に困るでしょう」と尋ねたら「なに、必要なら電話してますよ」と平気な顔をしていた。現在だと、電話を面倒と感じる人が多いので、連絡できない「行方不明者リスト」に入ってしまうかもしれない(会社のツールでそれはないと思うが)。
マイクロソフトがERP関連製品を出したとき、「最大の特徴は使い勝手がいいことです」と言っていた。当時、ERP最大手の某社製品は、使い勝手が悪いことで知られており「使い勝手が良い」というのは現場に強く支持された。
使い勝手、つまりシステムと人間とのインターフェースはそれくらい大事なものである。特別楽しいものやわくわくするものである必要はない。誰かに使い方を聞かなくても、日常的な作業が簡単にできればそれで十分である。
こういうところが、Windowsアプリケーションに対する安心感につながっているように思う。
なお、来年以降も続けたいと思うが、どうなるかは分からない。「仕事を始めるモチベーション」と「仕事を持続するモチベーション」は全く異なる。モチベーションを継続する最大の要素は、相手からのフィードバックである。アドベントカレンダーの記事を読んで、面白かったり役に立ったりしたら、ぜひSNSでシェアするなどのアクションをお願いしたい。社員のエゴサーチに引っかかれば、それがモチベーションとなる。
【告知】トレノケ雲の会
12月17日(月)19:20から、勤務先主催の勉強会「トレノケ雲の会」が開催される。今回のテーマは「雲の上だヨ!全員集合」と題して、クラウドコミュニケーションツールについて取り上げる。Slack Japan株式会社の方にも来ていただけるので、ベンダーの思いについても触れることができるだろう。