仕事とブログとタイトル
アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の第1話は戦闘シーンから始まる。背景説明も何もない。SF映画の古典『2001年宇宙の旅』は、「宇宙の旅」なのにヒトの祖先らしき猿人から始まる。英国の児童文学『ナルニア国物語』で、ナルニア国誕生の歴史が語られるのは全7巻の6巻目である。2005年から始まった映画シリーズはまだ4作しか制作されていないため、ナルニアになぜガス灯があるのかが示されていない。『ナルニア国物語』は第1巻と最後の2巻が面白いので、公開が待ち遠しい。
本ブログも名作にあやかって、タイトルの由来も自己紹介もなしに始めてみたが、そろそろタイトルの話でも書いてみようと思う。
ブログがスタートしたとき、最初に指摘されたのが、平松愛理の曲『部屋とYシャツと私』であるが、これは不正解。私はああいう男女観を持ち合わせていない。実は「○と○と○」というタイトルは昔からあって、特別な表現ではない。有名なところでは、アニメ『新・エースをねらえ』の全25話サブタイトルが「ひろみとお蝶と鬼コーチ」のように、すべて「○と○と○」で統一されている。
正解は『仕事と結婚と私』、ストリートミュージシャン宮崎奈穂子さんの曲である。そのままいただこうかと思ったのだが、男性のブログに「仕事と結婚」というのはどうもそぐわないので「生活」にしてみた。そして、これは「ワークライフバランス」の「ワーク」と「ライフ」を意味している。
▲宮崎奈穂子『仕事と結婚と私』
ワークとライフが分離したのは、おそらくは産業革命の工場労働者からではないかと想像する。このことは、以前に「ITエンジニアの労働環境」として記事を書いた。2006年に書いたものなので、背景説明は少々古くなっているが、基本的な考え方は変わっていない。本ブログでは、こういう話もおいおい書いていきたい。
ところで『仕事と結婚と私』は、宮崎奈穂子さんの友人の体験を元に作ったそうだが、「会社と私、どっちが大事なんだろう」と悩むところが新しい。会社(仕事)と家族なら昔から(男には)よくある話だが、ここで迷うのは「私」である。近年の就職指導は「自己実現」というものを強調するらしい。『仕事と結婚と私』では入社1年目の社会人が、一人前の仕事ができずに悩み「違う場所で自分を試そうかな」と悩み、「私だって必要と言われたい」「ここでやめたら逃げたことになる」と迷う。「自己実現」などという言葉がなければ悩みは半分くらいになるかもしれない。
若者らしい悩みと言えばそうなのだが、50過ぎのおじさんとしては「そこまで悩まんでもええんと違うかなあ」と思わず関西弁で話しかけてしまいそうになる(私は関西出身なので)。実際、就職活動で悩み、就職して迷う若者は本当に多い。本ブログの適当な感じが、何かの役に立てばいいと思うのだが、そもそも若者はこんなブログ読んでいないか。
ちなみに11月23日(土)は女性の仕事の歌をよく歌う宮崎奈穂子さんのソロライブである。勤労感謝の日にふさわしいイベントだ。