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IT技術者教育に携わって25年が経ちました。その間、変わったことも、変わらなかったこともあります。ここでは、IT業界の現状や昔話やこれから起きそうなこと、エンジニアの仕事や生活について、なるべく「私」の視点で紹介していきます。

そろそろ寿命のPCをどうすればいいのだろう

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Windows 8.1の評判がいい。Windows 8とWindows 8.1は、ちょうどWindows VistaとWindows 7のような関係である。内部的にはあまり変わっていないが、ちょっとした工夫によって使い勝手は大幅に向上した。

私が自宅で使っているメインマシンは2007年に購入したもので、既に一般的な寿命を過ぎている。来年の3月には丸7年が経過するので、いつ壊れてもおかしくないのだが、具体的な計画はまだ立てていない。PCの入れ替えは何かと面倒だからである。

2010年3月に、PCの買い換えについて書いた記事があるので紹介したい。なお印は現時点での注釈である。また、読みやすいように一部の記述を修正した。

●PCの寿命

私の自宅PCは2007年3月に買ったDELLのワークステーションである。OSはもちろんWindows Vistaだ。PCの一般的な寿命は5年程度なので、4年目に入ったらそろそろ買い換えを視野に入れる必要がある(※現在は既に買い換え時期を過ぎている)。

その前に使っていたPCは、やはりDELL製で7年間使ったが、メーカーの設計通り(?)、5年を過ぎた頃から調子が悪くなっていた。

最初に壊れたのはハードディスクである。最近のディスクは自己診断機能が内蔵されており、故障の予兆を教えてくれる。ディスク換装は面倒だが手順は確立しているので、新品のディスクを買ってきて交換した。

次に壊れたのはビデオカードである。余っているビデオカードがないか知人関係にあたったところ、運良くもらい受けることができた。

最後に壊れたのは電源らしい。「らしい」というのは本当の原因を特定していないためである。電源スイッチを押しても、数回に1回しか起動しない上、使用中に突然電源が落ちる症状から、おそらく電源関係だと予想している。メーカー製PCの電源ユニット換装は面倒な印象があるので、本体の買い換えを決めた。

●OSのアップグレードはリスクを伴う

いかなる形であれ、OSのアップグレードはトラブルの原因となり得る。たとえ、それが「サポートされた移行」でもだ。マイクロソフトもこのことは認めており、クライアントOSの大量展開には以下の手順を推奨している。

  1. ユーザー環境の保存
  2. クリーンインストール
  3. ユーザー環境の復元

不人気だったWindows Vistaと異なり、新しく出たWindows 7は大きな期待を持って受け入れられている。実際に導入が決まった企業も多い。

いくら安定しているとは言え、Windows XPは10年近く前のOSである。古くさい感は否めない。MacintoshもLinuxも、企業向けの機能が乏しく、Active Directoryクライアントとしては力不足である。Windows 7に期待するというより、期待せざるを得ないのが本音かもしれない。

※Windows 8.1が出たというのに、企業クライアントのWindows XPからの移行先として人気のあるのはWindows 7である。これはGUI変更に伴う社内サポートコストの問題らしい。しかし、Windows 7は現時点で2つ前のバージョンなのでアプリケーションのサポートがなくなる可能性もある。既にWindows Vistaをサポートしないアプリケーションも増えている。私が愛用しているAdobe Lightroomの最新番はWindows Vistaをサポートしないので軽いショックを受けているところである。

●OSの互換性

Windows 7はWindows Vistaと高い互換性を持っているが、Windows XPからの互換性はどうだろう。案外動作しないアプリケーションが多いので注意したい。互換性を検証・維持するためのツールとして「ACT (Application Compatibility Toolkit)」もあるが、使いこなすのは少々難しい。

私は、今使っているPCはWindows 7に移行しないことを決めた。一番の理由は、移行が面倒だということだ。繰り返しになるがOSのアップデートにはリスクがある。しかも長い時間がかかる。そして、今使っているアプリケーションにはWindows 7でセットアップできないものが少なくとも2つある。

1つはキヤノンイメージングシステムズのプリントサーバーNet Hawk WP-100である。WP100のツールはWindows 7でのセットアップができない。製品のサポート期間が過ぎているので、新しいドライバは出ない。Windows Vistaでセットアップ済みの場合はWindows 7にアップグレードすることでそのまま使えることは確認したが、再インストールができないとトラブル時に不安である。ACTを使ってセットアッププログラムに細工できるかも知れないが試していない。

もう1つはミノルタ製のフィルムスキャナ用ドライバである。ご存じの通り、ミノルタはコニカと合併し、その後カメラ事業から撤退した。デジタルカメラ部門はソニーに引き継がれたがフィルム部門は完全に消えている。フィルムカメラ関連の一部はケンコーに譲渡され、ドライバーなどは配布されているがアップデートはない。調べたら、Windows 7標準のスキャナドライバが使えるそうで、デバイスドライバの構成ファイルをテキストエディタで書き換えれば64ビット版でも動作した。また、Windows 8.1のHyper-Vに搭載された「USBリダイレクト」も使えるはずである(Windows Server 2008 R2のRemoteFX USBリダイレクトで動作したので、きっと動くだろう)。

「結局、肝心なことは試していないのか」と言われればその通りである。だが検証作業には新しいOSを用意する必要があり、これが面倒だ。1台のPCの検証でも面倒なのに、企業のIT部門での検証作業がどれだけ困難なのか想像できるだろう。

以前のOSに比べて互換性問題はずいぶんと減っている。その努力を認めた上で、マイクロソフトには互換性面でもっと努力して欲しい。しかし、新機能を追加し、さらに安定性を増すにはある程度の非互換性はやむを得ないという事情も理解できる。

●クライアントPCのライフサイクル

一般に、サーバーと比べてクライアントには接続されるデバイスが多い。そして、OSが変わればデバイスドライバも変化する可能性が高い。クライアントPCを使い続ける場合は、周辺装置のサポートも同時に考える必要がある。ただし、それを予測するのは非常に難しい。もうすぐ消える企業の製品を優先的に選ぶ人はいない。

あと数年もすれば、今使っているPCは壊れる。それまでに新しいプリントサーバーを見つけるつもりである。フィルムスキャナはあきらめることになるだろう。現在、私の写真はほとんどデジタルに移行しており、スキャナを使うのは過去に撮った写真だけである。フィルムからデジタルへの変換サービスがあるので、それを使うことにするつもりだ。一般向けのサービスなので、あまり画質は良くないのだが、大きく引き延ばすわけではないので問題ないはずだ。そもそもフィルムスキャンの作業は結構面倒なので、ほとんどやっていない。この先、ずっとできなくても困りはしないだろう。

それより、使用中のPC、おそらくはハードディスクからときどき異音が聞こえることの方が問題だ。

続く...

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▲フィルムスキャナを使って取込んだ写真
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