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マヨネーズを売るためにカニ缶で試食会。DBを売るならBIか?

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アメリカのAmazonのマヨネーズ部門でキューピーマヨネーズがランキング1位の売れ行きだそうです。

『米国 amazon でキューピーマヨネーズが絶賛されてる件』
http://shirouto.seesaa.net/article/146013387.html

『米アマゾン部門売り上げ1位 キユーピーマヨネーズ大人気 (1/2) : J-CASTニュース』
http://www.j-cast.com/2010/04/25065024.html

Wikipediaの「キユーピー」にもあるとおり、日本のマヨネーズの歴史は今のキユーピーの創業者である中島董一郎氏がアメリカ留学から持ち帰ったことから始まります。カニ缶や鮭缶を販売する傍らでマヨネーズの販売を開始し、缶詰はアヲハタに、マヨネーズはキユーピーにつながっています。

今でこそマヨネーズは食卓に欠かせない存在になっていますが、マヨネーズが販売され始めた明治時代の日本には野菜を生で食べる文化はありませんでした。そこにまったく新しい調味料としてマヨネーズを売り込んでいく苦労は並大抵のものではなかったと思われます。

最近ですとラー油がブームになっていますが、ラー油は中華料理店などで見かけますし、ブームになって初めて口にしたという方も少ないでしょう。しかしマヨネーズの場合はまったく存在しないものを持ち込むわけであり、「整髪料と間違えて頭に塗ってしまった」という話が残されているほどです。そんな状況から、なんとかマヨネーズの持つ価値を知ってもらわなくてはなりません。中島氏はどのようにしたのでしょうか。

『キユーピー(2)』
http://www.opi-net.com/opiken/20051101_02.html

マヨネーズを知ってもらうため、中島氏は当時自分の商店で扱っていた商品である「カニ缶」と一緒に食べてもらう試食販売を始めたそうです。当時はカニ缶も高級ですがマヨネーズも同じく高級品であり、百貨店などで販売されていたそうです。今、ごく普通のスーパーマーケットでマヨネーズの試食販売をするのにカニ缶を使ったらなかなか元手がとれそうにありませんが、当時は高級食品という肩書きのもとでそういった売り方もできたのかもしれません。

時代は変わりましたが、今になってもやはり試食販売は有効な手段として身近な存在となっています。それだけでなくソフトウェアであっても体験版というものがありますし、基幹製品としてのデータベースを作っている企業であれば、データベースの有用性を理解してもらうためにデータの分析ツールであったり、販売予測ツールであったりという製品を売るというやり方が有効かもしれません。そう見るとデータベース=マヨネーズ、BI=カニ缶、という構図もあるのかな、と思います。

ちなみに、マヨネーズの祖である中島氏は愛知県尾西市の出身であるわけですが、諸説あるものの一説によればケチャップの祖、そうでなかったとしても古くから日本の代表的ケチャップメーカーであるカゴメの創業者の蟹江一太郎も愛知県東海市の出身ということで、なぜか愛知県はマヨネーズにもケチャップにも深くかかわりがあるという土地であるといえます。味噌は全国的に大手メーカーが少ない市場ですが、しょうゆ(イチビキ、サンビシ)も酢(ミツカン)も愛知県ですね。ソースのコーミは全国ブランドとは言いがたいですね。

『カゴメ株式会社 > 食生活・レシピ > トマト大学 > 文学部 > トマトの日本デビュー』
http://www.kagome.co.jp/style/tomato-univ/literature/debut.html

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