ご飯にしますか?ライスにしますか?
ファミリーレストランで店員さんに注文をお願いするとこんなことを聞かれることがあります。
「ライスになさいますか?パンになさいますか?」
ここで「ご飯」と答えるとよく教育された店員さんはこう答えるそうです。
「ご飯でございますね」
そうでない店員さんはこう答えるそうです。
「ライスでございますね」
大した違いではないですし、普段は気にしない人がほとんどだと思いますが、ライスかパンかという質問に対して「ご飯」と答えたお客様に対してマニュアル通りに「ライス」と聞き返すかどうかの違いが表れています。
たしかにお客様が「ご飯」と言っているのを「ライス」と聞き返すと、少し失礼な感じがします。「こっち(店員)はライスかパンで答えろって言ってんだ。何がご飯だ。」というような上から目線のニュアンスを感じるという方もおられるかもしれません。
IT業界には様々な用語がありまして、読みづらいものもたくさんあります。SaaSというのは「さーず」でなくて「さーす」と読まなくてはいけないようですし、SAP社の方と一緒に仕事をするならば「さっぷ」でなくて「えすえーぴー」とお呼びしたほうが良いようです。
そもそもIT用語はこの数年で生まれたものが多く、一般的な英単語ほどには正しい読み方というのが定まっていないように思います。となるとSaaSなども同じ会社の人間が読み誤っていたら正しい読み方を教えてあげたくなりますが、お客様が読み誤っている(というかメジャーでない読み方をしている)場合には出しゃばってまで教えてあげるということは難しいようにも思います。
SAP社の場合は自分たちで自分の会社名をこう読んでくれと言っているわけで、こちらは誰にでも自信を持って正しい読み方をおすすめできそうです。が、日本人の名前でも「ハマサキさん」と「ハマザキさん」のように読み誤りやすい人で、諦めの境地に達してしまっている方がいます。「もうどっちでもいいよ……。」と。
やはり人の間違えているところはズボンのチャックが開いているのを指摘するのが難しいように教えてあげることは難しいです。何か上手な方法がないものかと悩ましいところです。