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人生、宇宙、すべての答え

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エントリが長いという意見を多数いただきました。確かに自分でも冗長だと思っています。そこでインターネットでブログを短く書くコツを検索してみましたが、google先生もその答えを知りませんでした。聞き方が悪かったのかと思い、このように聞いてみました。

「人生、宇宙、すべての答え」

答えは42だそうです。

おそらく、この行から下を読み続ける人がガタッと減ると思います。事情が飲み込めない人は何が始まったのかわからないことでしょう。自分のブログはこういう展開をすることが多いです。数少ないマニアな人と、何かインスピレーションを感じてしまったせいでこの展開にグッと来た人はここでやめずに読んでくれるようなのですが、そうでない人は意味がわからなくなるどころかクリックしてしまったことに後悔すらしているかもしれません。

人生、宇宙、すべての答えは銀河ヒッチハイクガイドという小説と映画で有名になったフレーズで、実際にgoogleで検索すると42という答えが表示されます。小説では、『答えが42というのは正しい。しかし人間のほうが「人生、宇宙、すべての答え」という質問の意味を理解していない。だから42が答えであることを理解できていないんだ』という結論に至ります。数年前に映画化されてDVDも出ていますので興味が沸いた方はどうぞ。映画館で見たら外国の方の比率が高くてびっくりしました。海外ではメジャーな小説だそうです。

もはやこのパラグラフに入ったところで銀河ヒッチハイクガイドに興味が沸かなかった人はすっかりふるい落とされてしまっていることだと思います。一層、人が減った事を確認した上でブログのエントリが短いメリットを考えてみました。

  • 気軽に読め始めることができる
  • 内容を理解しやすい
  • 読後の勢いでコメントを入れやすい

そしてブログのエントリが長いデメリットです。

  • 見た瞬間に「うわっ読みたくねえ」と思う人が立ち去る
  • 読み終えた時点で疲れているのでコメントする気も失せる
  • 途中で何度も読み返さないと論旨が追えない
  • そもそも論旨が見失われたエントリが多い
  • タイトルにせっかく興味を持ったのに途中で違う話になって萎える

これを見て真似しようと思う人はいないでしょう。そうすると、あるメリットが発生します。「キャラが被らない」ことです。自分の場合はだらだらと壊れたタイプライターのように文章を綴る事ができるというスタンド能力を持っているので、まず論旨を作った後にそれを文章にしていくと3000字前後に落ち着いてしまうという状況にあります。実は一応下書きしたりしています。500字くらいで。もういいからそれを見せろという声もあるのかもしれないですが、それをやってしまうとキャラを失ってしまいます。

気になったエントリをクリック。
特に誰のものかを確認していない。
現れる冗長な改行。
細かく入る段落。
まじめな展開に混ざり込む雑談。
マウスホイールを1回転させただけではエントリの最下部までいかない。
うわ。これあの長い人のやつだ。

はい。長い人です。これまでとりわけテーマらしいテーマもなく、開発の現場からSEのリアルな声を届けることもなくやってきましたが、どうやら長い人という印象が定着しているようです。最初から狙ってやったわけではありません。しかし結果論として、正面衝突を避けることで生き残りの目を出す事はランチェスター戦略の弱者の戦略の「局地戦」に当たりますし、孫子の兵法の「強にして之を避け」に当たります。そして今や4ヶ月の実績がありますので、自分の切り開いた「長い人」の道を追って真似をするのは容易ではありません。また、「長い人」のポジションには「長い文章を書く」という技術的な参入障壁もあるのです。

- - - - 折り返し地点 - - - - (約1600字) - - - -

このような状態に持ち込むことをニッチ戦略と言います。コトラーによると、企業間の競争で取り得る戦略には4つのタイプがあるとされます。

  • リーダー戦略
  • チャレンジャー戦略
  • フォロワー戦略
  • ニッチ戦略

私は後発も後発、既に100名近いブロガーが登録された時期に参入しました。つい最近までオルタナ・ブログのTOP画面の左側の新規参入ブロガーの欄に掲載されていました。TOP10入りの常連となっているブロガーの方が多数おられますが、そこで絶対安定的地位と言える「リーダー」はいないようです。通常の市場競争では1位になると、シェアトップからくるブランド力などを背景にして、より儲ける事ができます。

オルタナ・ブログではナンバーワンになったことの特典が大きくありません。アクセストップ30の一番上に表示されますが、「この人がTOPブロガーです」ということが喧伝されるわけではありません。そのため、現在では数ヶ月に渡ってナンバーワンとなっているブログがありますが、それは現在の努力の賜物であり、ナンバーワンであることの影響力がプラスのフィードバックを起こしているという作用は小さいものと思われます。

そしてチャレンジャーにあたるのは毎月上位に入ってくるブロガーです。このポジションはリーダーになることを虎視眈々と狙いつつもなかなかうまく行かない上、チャレンジャー同士での競争にも晒されている厳しいポジションです。

そういった厳しい争いから少し距離を置いたところにいるのがフォロワーです。フォロワーは現実の世界ではリーダーやチャレンジャーの模倣をしながら、なんとかもう少し上にいけないもんかなーと思い描いているポジションです。チャレンジャーが上を狙う場合、防御力が高そうなリーダーやチャレンジャーを狙わずにフォロワーを駆逐しまくるということも行われます。

そしてニッチは何かに特化することにより、例えリーダーでも脅かし難い地位を築いて、固定的なイメージや利潤を獲得するポジションです。まさしく今のここ。人呼んでオルタナブログのニッチ。

もちろん、企業であれば儲けるという目的が大前提にあるのですが、ブログの場合は「アクセス数を向上させるぞ」という目的が全員に共通して存在するわけではありません。上位に入りたい人もいれば、ランキングには執着が無い人もいますし、近況報告として使っている人もいます。

私は奥さん産休と育休で里帰りしてしまったことにより発生した暇な時間を活用するためにブログを始めました。そのため、当初は目的も無くだらだらと書いており、ランキングなどは縁の無い世界だと思っていました。その後、初めてのTOP30に入ったことが嬉しかったため、なんとか今くらいのアクセス数を存続したいと思いました。気がついてみれば随分とニッチなポジションにいたので、守りに入れば急激にアクセス数が落ちる事は無いと踏み、現在に至ります。まだ歴史は浅いのですが、これまでは25位を中心に上下動をしてきたというところでしょうか。

ニッチ戦略は変化に弱いものです。ブログというメディアに対して読者が求めるものが大きく変化した場合、ブログ執筆のセオリーやトレンドを考慮してアクセス数の向上に寄与させている体制を作っている場合は変化に対して柔軟な対応が可能です。しかしニッチの場合は自分の得意とする領域が見向きもされなくなったら終了です。この状態を専門用語でニッチもサッチも行かなくなると言います。嘘です。現実世界のニッチは高い技術力を身につけている場合が多いですので、ニッチと言えど守りに入らず、別のニッチな得意分野を探そうという努力をします。残念ながら今の自分のブログに長い以外に特徴的な部分はありません。

以上のような考察は置いておいて、私の実感として長い事によるメリットが薄いです。なぜこれまで見直しポイントを設けなかったのかが不思議です。ポーターも「焦点を絞り込め」と言っていましたが、「文章を長くする」という焦点に絞り込むのではなく、別のところに絞り込んだほうが効果的だと思います。その前にエントリの焦点を絞り込めるようにするのが先ですね。そこで、段階的に文量を減らしていこうと思います。とりあえず直近で見返したところ、2500字から3500字のエントリが多く見られました。まずは2000字以内にするところを目標に設定したいと思います。(以上、約3200字)

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