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グローバリゼーションとは、多様性の寛容 かと

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かなり昔から『ニューヨーク・シティ=NYCには世界を見ている人が集まる』と云われます。僕自身も実際に世界の中心なんだろうなんだろなぁ、と思う経験もしてきました。

世界を股にかけた仕事をするためには、世界最高の人材とモノが集まるNYCに行かなくてはならない(はずな)のだ!と思うのと同じように、、
僕は23歳の時、日本全部を相手にビジネスをしてやろうと、大学在学中にもかかわらず東京に出てきました。大阪にいては関西しかフィールドにできないと悟ったからです。

僕は、一昨年7月のシンガポール移住を機に、 日本はいまなお潤沢すぎる『国内の内需』に頼るのを改めるべきだ。そして中国(13億+α)、インド(11億)、ASEAN(5億)の爆発するアジアの需要を外需として積極的に取り込んでいく必要がある、とこの場で書きはじめました。

日本のあまねく企業&企業人は、これからは事業のフレームを日本国内に留めず、アジア視座でビジネスをデザインしていくべきと考えています。

しかし残念ながら・・今、我が東京にはほぼ99%日本人しかいません。
日本人だけでアジア見ても日本人の視座でしかありません。
その現状では、アジアの人々を相手(消費者・ユーザー)にした商売は極めて難しいのではないか、と考えています。

P&G、J&J、ユニリーバ、キャドバリー・シュウェップス・・・など多くの消費財の世界企業がアジアのマーケティングの拠点をシンガポールに置くのは、このコラムにも書いたようにアジアには実に多くの人種・宗教・価値観・生活習慣があり、それらを踏まえ商圏の有能な人材を確保することに対応するためでもあるからです。(・・・もちろん税メリットも大きいです)

そう、アジアは一つではない。「いろいろ」なのです。

みんな誇り高い。だからこそグローバリゼーションとは何か?という問いに対して、
僕は【多様性(diversity)の寛容】である、と応えたい、です。

互いに寛容できる文明・文化・智慧がなければ、
アジアの中心にはとてもなれない、と強く感じています。

だから、たとえ外資の法人税を(昨今、話題の)現在の半分以下にしたとしても、英語も通じず、所得税も世界一高く、加えてビジネスの環境も悪すぎる、今の日本では有能な外国人は採れない(暮らしにくすぎて、来ない)と思います。

アジア進出=商圏拡大を急ぐ日本企業も急いでグローバル対応したいのであれば、まずもって国外に出るしかないのです。

かたや
僕のいま居る多民族&多宗教国のシンガポールは、英語、マレー語、マンダリン、タミル語と4つも公用語があります。宗教も、仏教や道教、イスラム教、ヒンドゥ教、キリスト教などが混在し、共存しています。
500万の人口のうち華人系が75%ってことですが、実際は・・僕の住環境に居る人種は実に様々。否が応にも多様性を受け容れざるを得ない環境です。この差は歴然。

やはりグローバリゼーションの先輩シンガポールをみて、学ぶべきことは大いにあると思います。

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さて、バブル絶頂期|20年前には3万超いた在星邦人も、4月以降2万人以下に減ったという噂です。納得。この3月4月は僕の周りも駐在員が凄い帰任ラッシュでした。特にメーカー、金融、物流関係は多かったです。

実際、駐在は現地採用の3倍以上コストがかかるのです。これからアジアに根ざす企業を目指すには日本からの駐在邦人中心の組織づくりは不適ではないかと思います。

これからは、駐在出身の2年交代→日本帰任のローテーション現地法人の社長ではなく、
現地採用やローカルから雇用した人材(非・日本人)に現地法人を経営させる(そして優秀であれば、その後は経営層として日本=本社に異動させる)登用を目指すべきではないでしょうか。

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