国連平和維持軍と人身売買をテーマにした「トゥルース 闇の告発」はなぜ日本劇場未公開なのだろう…
橋下市長発言が物議を醸しています。
橋下氏の発言は公的な場で語られたものとして不適切な一面を感じますが、これまた一斉にバッシングをしているメディアはそこから何を導き出したいと考えて報道しているのか私には理解出来ていません。
人間として尊重されて生活することができる、基本的な人権が守られことはベーシックなところで非常に大切だと自分は考えます。
ただ現実問題としてそこから外れてしまう人生も実際には存在して、そこをどう救っていくのか、救えるのかという事は、そこが簡単に解決するなら苦労は要らないという話になろうかと思います。
今回の一連の報道を見ながら、いま正義感を振りかざしているメデイアは、
この映画の評論を書くとしたらどう書くのだろう?と非常に気になります。
この映画、国連平和維持軍と人身売買がテーマで、実話がベースとされており、日本では劇場未公開の作品です。(英語版のwikipediaには映画の解説あり)
この作品は実話ベースだけにストーリーは不条理そのもの、本当に救いがない話で、この状況への表面的な批判をただ書いても意味がないと思いこれまでエントリ化するのを躊躇していました。
Youtubeを検索すると、この映画がきっかけとなって様々な議論の場が生まれていることを知ることができます。
主演のRachel Weisz とモデルとなった Kathy Bolkovacのテレビ対談
Kathy Bolkovacさんの講演の模様
当時、人権高等弁務官事務所でKathy BolkovacさんをサポートしたMadeleine Reesさんのインタビュー、映像の題名は「UN peacekeepers and human trafficking」
この映画の中ではいまそこで起きている現実を外部に公開しようとする主人公を邪魔する勢力がどれだけ強く、権力も手中にしてて、どれだけ汚いこともするかが描かれている訳ですが、なぜこの映画が日本では劇場公開されない理由は何なのだろうと思ってしまいます。
いま橋下バッシングをしているメディアは、失言を叩くだけでなく、より多くの人にこういう厳しい現実を知ってもらい、そこから具体的にどうすれば少しは世の中ましになるか考える場を作っていくことのほうが必要な気がします。
ただ、日本がこういった国連平和維持軍の活動にケチをつけるようなマネをすれば、どう反論されるかも大体予想はつくわけで、こういった不条理や正義が口だけでは通じないことも覚悟しないと、現場のすさまじさを知っている人たちからは相手にされないのかもしれません。
身内の裏切り、権力者の腐敗、どこをとっても後味が悪い映画ですが、これを見てから橋下発言を考えるとより広い視点でモノが考えられるような気がします。