「安全とは迷信に過ぎない」と言い切った人物とは?
クリミナル・マインドというテレビドラマシリーズをご存知でしょうか?
DVDのレンタルで我が家では結構人気のドラマシリーズで、ここ最近リリースされたシーズン4を空いた時間に見ています。
この12巻24話目に「バイオテロリストを追え」というエピソードがあり、震災後の放射能問題の報道がいろいろなされるなかでTwitterやら各種ニュースサイト、テレビ、雑誌などから膨大に流れてくる情報に身を晒している中でなかなかに味わい深いエピソードでした。
主たるエピソードはFBIのプロファイリングを行動分析課チームが炭素菌テロを画策す犯人と対峙するストーリーなのですがその中で印象的なシナリオがいくつか出てくるので、まずは話しの流れを追いながら紹介していきます。
エピソードは昼下がりの公園で炭素菌がばら撒かれるシーンからスタートして、FBIのメンバーが召集され、FBIやCDC、軍関係者が対策を協議するなかでこんなやり取りが交わされます。
- 対策本部は炭素菌テロだと言うことを避難者などが集団パニックが起きる可能性を考慮して報道管制を敷く
- 次の犯罪が起きれば隠し通せないが、市民を守るために情報は開示せず、次を食い止めることに注力
- 我々はこういう事態を想定し準備と覚悟もしてきた。大丈夫!
そして、FBIのメンバーは各自が当然家族を抱えていますが、この特殊な情報は家族にも教えていけない事になっており、情報リークへの対策として職場の電話とメールが監視される事に。
捜査の過程で炭素菌の調査や事情聴取の中でも一般の人々には一切炭素菌テロだという話しは伝えられません。
そして、生まれて間もない赤ん坊を抱えるスタッフは、犯人が行動すると思われる範囲の近くで毎日赤ん坊を散歩させており、外出させるな…と伝えられない事で仕事と家族の選択を迫られることになります。
その葛藤が描かれるなかで、こんなセリフが発せられます
仕事だ
仕方ないだろう!
子供を守りたい気持ちは分かる。
だが、一般市民の知りえない情報を我々だけが利用するとしたら不公平じゃないか?
う~~む、これはこの時期非常に気になるセリフ。
そしてドラマの中では防護服を着た人間を見かけた一般市民が「大丈夫なのか?子供を避難させたほうが良いのか?」と問いかけるも、対応ルールで真実を明かせない捜査スタッフは本当の事は伝えず「お宅は大丈夫」と告げます。
これはドラマなので無事犯人は捕まり、大きな被害もでずにめでたし、めでたしで話しは終わるのですが、エンディングの部分で
男性上司が
9.11以降、極秘になっていることが世間に知れたら?
人々は安心さよりも無力さを感じる
あれでよかったんだ(一般市民にウソをついたことが)
と、女性の部下が
何が起こっているかを知ってもあの女性(大丈夫だと知らさせた当人)は何もできない
あの嘘は仕事だし、彼女も守りたかった
でも、嘘は正しくないって思うのは甘い?
と聞き返すと、男性上司は
この仕事ではな…
と答え、相手の女性が「最低の仕事だと思う」といいつつも「次はためらいなく嘘をつくと思う」と告げると
墓に持っていくものが多いな…
と答える形で〆られていて現場での個人の苦悩を表しながら、事件で押収された炭素菌が陸軍の研究所に保管される…という解説を加えるシーンでは意味深に
他の秘密(知らされていない事件を含む)の病原体と一緒に
というセリフが用いられ、一般に知られない事件・事故がどれだかあるか…という事を想起させるような演出をして最後の最後にこの言葉をナレーションさせてエンドロールに入っていきます。
安全とは迷信に過ぎない。
自然界に安全というものは存在せず
人類が経験することもないのだ
ヘレン・ケラー
追記:このクリミナルマインドのエピソードについてはこちらのブログエントリをご覧いただくとアフレコの様子を含めかなり細かいところまで解説されていてます、もし興味を持たれた方はご訪問いただくと良いかもしれません。