「NIKEのロゴ」3500円、「およげ!たいやきくん」3万円より上手か?「Twitterの鳥」600円!
2009年3月16日の記事って事でもう完全出遅れモードであるのですが、自分が関わっている仕事の領域考えるとこちらの記事に触れない訳にはいかないかな…ということで遅ればせながら紹介させてもらうのはWIRED VISIONのこちらの記事
こちらの記事に似たような事例として、米Nike社のブランドのロゴマークの事を紹介していますけど、日本では「およげ!たいやきくん」の歌も確か買い取り契約であれだけヒットしたけど、歌手には3万とか5万の買い取り料金が支払われただけ…って話があったような気がします。
この画像を販売しているのは『iStockphoto』というサイトで作品を1ドルから購入できるオンライン画像・動画マーケットサイトで、ホームページデザインですと『Template Monster』という1点モノのデザインを頼んだとすると数十万は下らないサイトデザインが数千円で利用できるサービスもあったりします。
このようなサイトはコストを最小限にしたいとか、そもそも予算がないというスモールスタート企業にとってはとても助かるサイトですから、わたしの会社でもオリジナルデザインに投ずる予算がないとか、撮影するコストだけの問題ではなく、与えられた制作スケジュールから勘案するとこういう写真をレンタルしないと間に合わないという場合もそれなりにありますので、時と場合によって使い別けていたりします。
ただし会社を設立して間もないという経営者の方や、このようなクリエイティブ関係の発注経験が少ない担当者の方に繰り返し注意をお願いする事として、この値段はあくまで不特定多数に作品の利用を認めた場合で、個別にデザイン制作を依頼された仕事がこの単価で依頼~制作できるとは思わないでくださいねと申し上げています。
今回のTwitterのデザイン利用はiStockphotoの条件に合致したものであり作者の方も別に騒ぎにするつもりはないようですが、「Twitterに対してはそのとき、私がこの鳥を創作したというクレジットを追加してほしいと頼んだ」という要望はいまだに実現していないという記載があり、この点については紹介されているNike社の事例のような計らいがあったりするといいのに…と思ったりしています。
グラフィックデザインや動画、音楽、いろいろなクリエイティブが世界中の人々によって制作され、高品質なモノが安価に利用できるのはとても素晴らしい事ですが、これで食べていく人たちにとってこの競争相手と戦っても勝ち目はなく、大事なことは一点モノの制作に自分が必要としている以上の価値と対価を支払ってくれるクライアント見つける能力が実制作能力よりも重要なのかもしれません。
そしてこの手のサービスを利用される企業さんに注意いただきたいこととして、こちらの部分を引用しておきたいと思います。
Oxley氏の鳥のデザインはiStockphotoサイトに表示され続けており、他者が、Twitterと同じ条件で使用許諾を受けることができる。人々がTwitterを真似たり、茶化したり、ベースにしたりしたサイトを開設するのを止めることはできないのだ。
自社のブランド戦略において差別化というのはとても重要なテーマのひとつになると思いますが、目先の値段の安さに惹かれてこの手のサービスで安価にホームページや会社ロゴをデザインしてしまうと、同じ画像・デザインを使って真似たり、茶化したり、ベースにしたりしたサイトを開設するのを止めることはできないというリスクもはらんでいるだということを肝に銘じておいて頂くのが大事かと思います。