「13歳のハローワーク」発刊当時13歳が20歳になるころがもう少しで訪れる
村上龍氏の「あの金で何が買えたか」「13歳のハローワーク」で有名なはまのゆかさんの個展に廣江さんのご厚意に預り、先週末にお邪魔してきました。
はまのさんと直接お話をさせていただく事も出来て大変有意義な時間を過ごすことができ、はまのさん自身が村上龍氏と仕事を始めたきっかけなど、恥ずかしながら「オルタナティブな生き方:学歴無し、社員経験無しからの出発」という記事を掲載していただいた立場としては、非常に参考になる事多く、今後こちらのブログでも紹介させていただきたいと考えているのですが、本日は125万部突破のベストセラー「13歳のハローワーク」について触れたいと思います。
「13歳のハローワーク」は第1刷が2003年11月30日とありますので、それなりの月日が流れている勘定になりますね。
わたしのところは高校2年と中学3年の息子がおりまして、家庭でこの書籍の購入までには至りませんでしたが、やはり書店で眺めたり、子供たち自身は図書館などで読むなどしており、親子で話題が通じる書籍ということで考えるとやはりベストセラーって凄いと改めて考えたのですが、ここでふと感じた疑問。
「13歳のハローワーク」が発刊当時、自分の子供がこの年齢に近い存在だった方で、この本を熟読した方ってどのくらいいるのかな?ってちょっと思ったのでした。
何でかというと、「13歳のハローワーク」には「13歳が20歳になるころには」というコーナーがありまして、第1刷2003年当時において、「雇用の形の多様化」、「つなぎのバイト」においての不安定な立場の危険性をちゃんと指摘していて、なおかつITの現状と可能性についても、・植えすぎた杉の木とSEというコーナーで、「日本政府は、かつてITで数十万人の雇用を創出するなんて言っていましたが、そんなことが可能なんですか?」という質問を村上氏が、株式会社ネオテニーの伊藤氏にぶつけているコーナーもあったりして、政府などが掲げる雇用創出や産業(人材)育成についてもそのまま信じることの危険性を指摘しています。
ここからは勝手な推論、暴論の類になってしまいますが…
これから20歳を迎える子供たちで、この「13歳のハローワーク」を隅から隅まで熟読した世代にとって、昨年末の派遣村の騒動ってのは、立場的なリスクを考えた場合、当たり前の話であり、「大の大人が何やってんの…そんなの当たり前じゃん」って思っていたのではないか?って事を考えたのでした。
来年高校に入る息子は、図書館で読んだから…ってそっから先の詳しい話は聞けていませんけど、自分の子供を数年後に社会人として送り出す親として、この「13歳のハローワーク」はやはり必読書なのかもしれません。
村上氏自身が若くして作家デビューをしているので、この本はある意味独立志向が強い傾向があり、全編を通してそこには「自分はどんな仕事をしたいのか」という強いメッセージが流れており、ついつい「●●な集団に入りさえすれば、その後は安泰」という考え方で職業選択のアドバイスをしてしまう方には不向きな面もあるかと思われます(苦笑)
web2.0とか言われているイマドキですから、「13歳のハローワーク」のオフィシャルサイトも存在しますが、wikipediaのような形で職業辞書と、発刊当時13歳だった人たちが20歳を超え始め、どのような仕事についてどんな人生を歩んでいるのかなど、この書籍に影響を受けた人たちがライフログを残してもらえたりすると凄く貴重な共有財産になって行きますよね。