結局相性の問題大きいのですが…企業web担当者と制作会社がより良い仕事をするために。その1
せっかくITMediaさんでブログを書かせていただく機会をいただいたのに本業であるweb制作のエントリをまだ作成していませんでした、、、(苦笑)
これからの3月末に向かってホームページのリニューアルを行う会社さんは非常に多いと思うのですが、複数社から提案・見積を提示してもらう際に、出来るだけ「より良い提案」をしてもらいたい、、、「できるだけ安価に効率よく制作したい」というような場合に事前に企業web担当者の方に準備していただきたい内容を制作会社の立場で書いてみました。
要求仕様書を普段から書いている方から見れば「もっとこうだろ!」という点が多々あると思いますが、わたしが仕事でご一緒させていただく広報担当、マーケティング担当の方はwebの事やシステムの事はあまり詳しくないが、配属されたのでやらざる得ない、、、という状況の方も沢山いらっしゃるようなので、そういった方々が複数社の提案を出来るだけ比較しやすい状態にもっていくために役立つ物という視点でご覧いただければと思います。
多分このような感じの書類を作成することで発注側の頭の整理にも役立つと思いますし、最初のオリエンの際にこのような書類を提示いただくことで各社からの質問事項の低減という意味合いでも効率化が図れると思います。
■対象サイト
http://www.cmpunch.com
■制作・開発期間(予定)
企画(設計):nn年xx月~nn年xx月
制作期間:nn年xx月~nn年xx月
公開:nn年xx月zz日
- 公開日時について厳密な制約がある場合はその理由を記載しておくほうが良いでしょう。
■予算
- 開示出来ない場合もあると思いますが、出来るだけ提示したほうが予想外の金額を提示される可能性は減ります。
- レンタルサーバを新規に契約、マシンを購入などの工程を含む場合には、制作予算とは別にどれだけの運用予算を想定していくかでも提案内容は大きく変化しますので、その辺の記載もしておくと良いと思います。
■発注内容(依頼内容)
例:日本語サイトリニューアルにおける企画協力、ページデザイン・レイアウト(FLASHコンテンツ含む)、コーディング、メタタグ設定などSEO対策に関する作業。公開後、プレスリリースについては自社更新できるシステムを導入することを前提とする。
- サイトの基本設計についても丸投げするつもりかどうかが判ると有難い
- 英語サイト、中文サイトなどの制作も同時期に行うのであれば記載しておくにこしたことはありません。その場合には当然翻訳作業の依頼の有無も記載しておきましょう。
- 現状想定される内容を列挙しておくことをオススメします。webシステムの発注の場合には実現させたい機能と制約事項を最低限記載しておくべきと思います。もう少し踏み込んだ場合、オープンソースの採用は認めるとかも事前に判っていると提案する側はプランニングの面で予測の部分を減らして企画制作することが出来ます。
- 新規にドメインを取得するような場合にはその作業代行を依頼するのか、SSLの取得を行うのかについても記載しておくと良いと思います。
■提供素材
例:完全原稿および写真素材。図版については新規制作依頼を予定
- 取材からの原稿作成やリライト、写真撮影などが必要かどうか、必要な場合どのくらいのボリュームなのかが判るとよりブレの少ない概算見積が可能です。
■サーバ環境
レンタルサーバの場合には、委託先会社とサービスグレードを記載しておくと良いでしょう。
例:●●インターネット:■■サーバプラン
IDCや自社サーバの場合、webプログラムの開発・設置について最初にアナウンスしておいたほうが不要な仕様変更を回避できると思います。開発案件であれば以下の内容よりもOSやミドルウエアについて詳細な記述が望ましいと思います。
一部追記:IDCや自社サーバの場合にはIT部門の担当者の方に問い合わせていただくと以下のような情報は入手できますので、その内容を記載していただければ大丈夫です。以下のようなシステム構成などを広報、マーケの方が理解・把握していなければいけないという事ではありません。
例:●●データセンターにて、webサーバ2台(内1台でメールサーバも稼動)をロードバランサ配下で稼動中。FTP・SSHでの接続については固定IPからの接続のみ許可
■想定ページ数
これが書いてあると概算ベースでの話をする場合にも大分助かります。(ただホームページリニューアルしたいけど幾らかかります?という質問で金額の話をするのは非常に困難なので)
■提出期限
企画の提出期限を提示します。
■提出内容
企画内容として最低限盛り込まれるべき内容を指示します。(提出書式やファイル形式の指定や提出部数の指定も必要であれば書いておきましょう)
例(一般的なサイトリニューアルの場合)
- リニューアルコンセプト
- TOPページデザイン見本
- ●●コンテンツトップページデザイン見本
- 詳細ページレイアウト見本
- 本案採用時のメリットとデメリット
- 概算見積
- スケジュール
■補足事項1
- 担当者として考えるサイトの問題点(改善したい点)
- サイトリニューアルにおいて実現したい内容や機能
- 実現させたいと思う画面の遷移の例や簡単なサイト構成図の提示も有効です。
■補足事項2
- 競合他社情報と業界における自社の位置付けなどを簡単に説明しておく
- たとえば上場を控えてのリニューアルの場合には、競業・同業者で最近上場した会社の名前を記載しておいていただくと事前情報収集の点でかなり助かります。
- 再委託を禁止する場合には事前に提示しておくと良いでしょう。