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読めばベタに分かる、タイトルどおりのブログ

結局、愚直に積むしか無いんですよ。

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自分は、自分が思う以上に仕事ができる、ということがわかった一方で、
自分は、自分が思う以上には仕事ができない、ということもわかった。

誰かに何かを期待されてやるのではなく、
誰かに何かを期待して、結果として勝手に裏切られた感を持つのではなく、
ただひたすらに、またひたむきに、
自分ができ得ることを、また、できるかできないかわからないけれど、
何とかやってみよう、と思えることを、
愚直にやっていくしかない。
たとえそれが人から見れば愚鈍だ、と言われようとも。
ずっとそうしてきたじゃないか。
いつからそんなに人の評価が気になるようになってしまったんだ?

「愚直に積め!」はオルタナティブ・ブログのブロガーである辻さんが書かれた本である。
他の多くのブロガーさんが既に書評を書かれていることは知っている。
ただ自分は自分なりに、それこそ愚直に読みたかったので、他の方の書評を一切読んでいない。だから人と同じことを書くことになるのかもしれなければ、まったく違うことを書くことになるのかわからない。
そもそも自分は書評と呼べるような立派なものを書ける才能は全く無いので、読書感想文を書かせてもらう。

痛快な本である。普通の会社の、特に何かの長に就く訳でもなく、どちらかと言えば昇進も遅い方のただの平社員の自分にとっても。それは、そんな自分であっても一応自分のやってきたこと自体については自信があり、また、積み上げてきたことが今の自分を作り上げていることに疑いを持っていないからだ、と思う。本のサブタイトルとしては、「キャピタリストが語る経営の王道99」ということだから、本当は自分のような者はターゲットでは無いのだと思う。でも、自分はできれば自分と同じような立場の人に読んで欲しい、と思う。特に、自分のやってきたこと自体には自信があり、かつそこに色々な創意工夫をしてやってきた、でも何か世間の筋道みたいなものにうまく乗ることができなくて、なんとなく今後に迷いがある人。まさにちょっと前の自分のような・・・。独りよがりでもダメだし、傷を自分でなめて自分で自分をかわいがるようなものでもいけない、と思うが、“真に”自分がやってきたことに自信があるのなら、きっとあらためて勇気が沸くはずである。「よし、もっと頑張っていこう」と。むしろ既に“成功”している人は耳が痛く感じるか、馬耳東風を決め込むのではないだろうか。

辻さん、という方はそのプロフィールや肩書きで見てしまうと、(あえて失礼を承知で書けば)東京大学卒とかベンチャーキャピタリストとか部長とかいくつもの“スマートな仕事の仕方をしてそう”という要素が並んでいる。あくまで一般人感覚で言えば、だが。でもこの本を読むと感じられるのは、逆にそういった点とは対局にある現場感や経験数、想いや心意気である。むしろ前述のような“頭脳優先”では本来の成功はあり得ない、と断言しているように感じたのは自分の勝手な思い込みだろうか。

個人的に辻さんにお伺いしてみたいと思ったのは、何故この出版が今のこの時期(と言ってももう2ヵ月も前だが)だったのか、ということである。もちろん、本を出版する、ということには様々なきっかけがあるだろうから、時代の要請、とは限らないとは思う。
本には、特定をすることなく、経営者やキャピタリストに苦言を呈している。ITバブルが数年前にあり、ここ何年かもWeb2.0関連やらで多くの企業が生まれ、多くの経営者が誕生し、またたくさんの資本が流れる中で、多くの現場を見てきた辻さんから見て、昔に比べあまりに本質的なビジネスの成功よりも、いかにその時良ければ、うまく切り抜けられればいい、的なゲーム感覚の経営が増えてきている、ということなのだろうか、だから改めて「そうじゃないでしょ?」ということを訴えざるを得なかったのでは?と深読みしてみたり。

いずれにせよ、自分はそれ相応に悩んで、でもそれ相応に結論を出して、自分なりの道を進むことにした。それが冒頭の散文である。これでも決して自分の想いを全て言い表している訳では無いのだが。そんな時にこの辻さんの本に出会った。このタイミングでこの内容の本に出会えたことが、自分にとっては最大の応援歌に感じた。

あらためまして辻さん、書いてくださってありがとうございました。

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