日本郵政の郵便事業の効率化は商品体系のわかり易さにあるのでは?
一昨日はヤマト運輸のことを書いたので、今日は日本郵政の・・・というより郵便事業のことを書きます。
実は民営化されてからのメニュー、変化とかあったのかもしれないのですが、まだ把握できていないのですが。
商品サービスが引き続き提供されていることを前提にこのエントリーは書かせていただきます(2007年9月30日現在のサービス内容を元に記述しています)。
仕事ではほとんどと言っていいほど郵便を利用しないのですが、
ヤフーオークションでほぼ出品側の利用歴ばかりある自分は郵便を普通の人よりはよく利用している方だと思います。
(一昨日のヤマト運輸ネタもそういった経験から出てきたものです)
自分の出品は全て送料はご落札いただいた方にご負担いただいています。そういうこともあり、お届けの方法は、先方の希望を優先することにしているので、自分はこれがいいと思いますけど、と提案しつつ、相手に発送方法を連絡してもらっています。
その上で、相手の発送方法が何にポイントを置いているか(早さなのか、信頼性なのか、便利さなのか、安さなのか)を確認させていただいた上で、現物を持っている当方で相手にとっての一番ベストが連絡してもらったとおりなのかそれ以外なのかを確認して合意の上ご発送、という形をとっています。
事業ベースにしていない(あくまで個人的にわらわら集めてしまったものを片付ける、リサイクルではなくリユース優先)だからできる技ですが・・・。
そうすると、先方から意外なお届け方法を指定されることがあります。単に自分が知らなかっただけですが。またこちらも調べてご提案させていただくこともあります。そうして知り得たお届け方法をいくつかご紹介してみたい、と思います。
★軽いものを、郵便書簡で送って欲しい
・・・郵便書簡とはミニレターと言われるもので、郵便局で販売している切手のようなものが印刷された便箋付封筒です。売価は60円です。
封筒の裏面が便箋になっていて、書いたら組み立てる、という方式をとります。この時、中に別のものを封入することができます。郵便書簡として適用可能な25g以内であれば。
25gというのは、定形郵便で言うところの80円までの重量制限と同じです。しかし、80円の定型郵便が”定型”であるが故に厚さ1cmまで、という指定があるのに対し、ミニレターは封筒として組み立てられることが条件なので厚さの制限がありません。
したがって、値段の安い発送方法の方がより幅広い範囲をカバーしている、ということになります。
★雑誌を、第三種郵便にて送って欲しい
詳しい説明は省きますが(どうせきちんとは書けないので)、定期刊行物は事前の審査を得ておくことで第三種郵便の指定を取ることができます。第三種郵便は認められた内容を広く伝播させることを目的に、その発送物が本来取るべき通常の発送方法よりも安価な価格で発送できるものです。
割と誤った理解をされているケースが多いようですが(かくいう自分もその一人なんですが)、第三種郵便は「発送者」に認可がおりている訳ではなく、「発送物」に認可がおりている、ということ。したがって、その刊行物を刊行した団体や人が最初に発送する時にのみ利用できるのではなく、それを受け取った人がまた別の人に発送する際にも利用できる、ということなのです。
★EXPACK500とポスパケットの差
EXPACKは前述のミニレターと同様、500円で切手のようなものが付いたボール紙製の封筒があり、その封筒に入る限り、どれだけの料を詰め込んでもいい、という簡易的な小包の一種類です。封筒の大きさはほぼA4を一回り大きくしたサイズ。また同様にポスパケットというサービスがあります。こちらもサイズはA4を一回り大きくしたサイズで、但し、厚さが3.5cm以内、重量が1kgまでを上限として梱包したものを400円で送ることができる、というサービスです。どちらも発送履歴付・事故に伴う補償制度無し。EXPACKは専用封筒、ポスパケットは封筒指定無し、という差がありながら、厚さ・重量の違いしか無いので、非常に似通ったものになっています。
★Yahoo!ゆうパックと通常のゆうパック
ご存知の方も多いかもしれませんが、Yahoo!ゆうパックは大量発送向けゆうパックの制度を利用して、一旦バルクで伊藤忠商事が契約し、Yahoo!の専用サイト上で発送や送料の支払手続きを行い、ローソンやファミリーマートで発送の最終手続きをすることにより、通常のゆうパックよりも1割安い、という宣伝文句でスタートしたものです。その後、通常のゆうパックが金額計算の体系を変更してしまったため、直接的な比較ができなくなりました。
■Yahoo!ゆうパックは重量による計算(2kg以下、4kg以下、6kg以下等々)
■通常のゆうパックはサイズによる計算(箱の三辺合計が60cm以下、80cm以下、100cm以下等々)
したがって、発送物の状態によってはYahoo!ゆうパックが安いとも言えるし、通常のゆうパックの方が安くなるケースもある。
・・・いくつか例を出してみましたが、皆さんご存知だったでしょうか?
・・・用が無いので知る気も無い、という方も居られたとは思いますが、もう少しお付き合いください。
言いたかったのは、「似て非なるサービス」が数多く存在し、それを利用者も理解しておかないと損をするし、窓口担当の人はいざ聞かれたら答えられる状態にしておかなくてはいけない、ということです。
(※Yahoo!ゆうパックは郵便側からすれば既に売ってしまったバルクなので、説明の意思は無いのでしょうけど・・・)
将来的に、郵便事業がリテール回帰に向かうのか、大口重視に向かうのか、は不明ですが、現在の窓口担当の人は少なくとも前述のような制限を理解しておく知識が必要だ、ということになるので、その分業務を複雑化しているのではないか、ということなのです。
また民営化になり、ただサービスを提供するのではなく、お客様が「これをこういった形で送りたいんだけど・・・」と相談を受けた時に、全国で均一に、個人のスキルによらず、永続的に、提供できるためには商品のわかり易さが必要なのではないか、と強く感じます。
一昨日は、ヤマト運輸への想いを書かせていただきましたが、日本郵政も頑張れ、という感じです。学生時代には非常勤職員経験もある者として・・・。