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”電子メール”と”対人関係のヒント”

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北添さんの投稿で「コミュニケーションの大原則」が以前にありましたが、思うところがあって付け加えさせていただきます。

対人関係を如何に良好に保つかは、ビジネスでも社会生活でも非常に重要で、かつ興味のつきない話題でもあります。北添さんの提言されていた、「メールに極度に頼らない」コミュニケーションとともに、「礼儀」が重要である、という部分はまさにそのとおりだと思います。

かなり前に読んだ本で”「人たらし」のブラック心理術”というものがあります。その本の中でも、「人間関係では”細かいこと”にこそ気をつける」という記述があり、指摘されていることは「人間関係を破滅に陥らせるのは、逆説的なことながら重大な出来事”ではない”という」指摘がされています。つまり、”取っ組み合いのけんか”は人間関係の破滅の原因ではなく、”電話をすると言ってしなかった”といいたような、些細な出来事が人間関係を破滅に導くそうです。

そしてそこでの指摘としては、「挨拶」の重要性を訴えています。電子メールが発達した結果オフィスの中での挨拶も極端に減っていて、そのことへの危惧も指摘されています。つまり電子メールは、生身の人間の接触ではなく、人間関係を維持する上で重要な要素を弱めているということらしいです。

また、別のところでは、心理学の「スリーセットの理論」を紹介されています。これは、「人間は”3回”も会えばその人に合えば、印象や評価をかなり固定的にしてしまう」という理論です。電子メールで何度も繰り返しやり取りをする中で、3回お話する前に相手の印象を持ってしまうことも多いことも事実ですので、やはりできれば”会って”だめでも”電話で”、どうしようも無くても”電子メールと電話の組合せ”でということとは、対人関係を良好に保ち、かつ相手が自分に好感を持つ(悪印象を持たない)ために必要なコミュニケーションと言えるのではないでしょうか。

前述の「些細なことに気をつける」ということと「スリーセットの理論」をあわせて考えると、やはり人とのコミュニケーションは人間の社会生活の知恵で成り立っているものであり、無機的で人柄が表現しづらい電子メール主体でなく、電話、対人のコミュニケーションを大事にしていくことが重要だと思います。

文明の利器を活用することは重要ですが、人間らしさがビジネスを動かす大きな力であることも事実です。電子メールへの過度の依存は、いつか社会生活を破綻させるのでは、と思う今日この頃です。

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