2010年クラウドでの10の予測
いよいよ2010年ですね。クラウドブームが始まった2009年をうけて2010年には何が起きそうか。クラウドのサービス・ベンチャーAppiroの2010年の予測を、2009年の予測(レビューは前回)と同様にサマリーしてみましょう。
①オープンソースよりクラウド開発者コミニティーが早く成長する
特定ベンダーの開発コミニティーと補完しあうながらも成長するという予測です。これがPaaSにとってのまさに鍵ですよね。
②クラウドの標準化は起きないし進めるべきでない
イノベーションのスピードが速くクラウドの標準化はインフラの低いレベル以外は起きないという予測です。一見、非難を浴びそうな予測ですが、確かにイノベーションが猛烈に速い分野では標準化は過去もあまり起きなかったような気がします。
③クラウド・プロバイダーはロックインに対応する
CIOの重要な懸案はPaaSのロックインであり続けるが、プロバイダーは他の言語のサポートや、移行のフレームワークやツールキットで対応しようとするという予測です。Google AppsやAzureは確かに言語ではそう見えますね。
④クラウドのインテグレーションが企業の代表例として現れる
オンプレミスのインテグレーションからクラウドのインテグレーションへと移っていき代表的な企業の例がでるとの予測です。イメージが沸くような沸かないような。
⑤企業アプリケーションがGoogle化していく
ExchageやSharepointだけでなく、よりきっちりした企業アプリケーションのフロントエンドをGoogleが担っていくという予測です。全部Googleにのるとはさすがに言わないですね。
⑥企業コラボレーションは一つの特徴でありビジネスではない
Salesforce ChatterやGoogle Waveが企業アプリケーションをリアルタイムのコラボレーションに統合していることから、単体の企業コラボレーションのビジネスは競争としてきびしくなるという予測です。古いですがグループウェアという単体ビジネスがきびしくなった現実が一つの現象かもしれません。
⑦MicrosoftはAzureでグローバル顧客を共食いする
オンプレミスの彼らのグローバルな顧客がAzureに食われていくという予測です。Software+Serviceの戦略がどれだけこれを緩和できるかでしょうか。
⑧クラウドの統合がおきる
GoogleとSalesforceを中心に買収などでクラウド・プロバイダーの統合がおこり、 OracleはNetSuiteを買収するのではという予測です。クラウドの業界再編ですね。
⑨グローバルのSI業者はクラウドマーケティング以上のことはしない
文字通りの予測です。かなり挑発的ですね。
⑩真のイノベーションはクラウドの技術ではなく、クラウドのビジネスの中でおきる
クラウドの保険の提供業者やセキュリティーの監査人など新しいクラウドのビジネスがおき、よりクラウドが使いやすくなるという予測です。これがまさにクラウドが企業IT市場で盛り上るかの鍵なのかもしれません。
2009年の予測に比べ、旧来のITビジネススキームにかなり挑発的なメッセージもありますが、ビジネスモデル、マーケットの視点が入っていて興味ぶかいです。2010年に起こるかは分かりませんが、こういうことが起きると企業むけのパブリック・クラウドのマーケットが本格化するという前提と言えたりするかもしれません。ともあれ2010年の変化は楽しみですね。良いお年をお迎えください。