キーワードは「働く場の環境整備」 ~ 『月刊総務』全国総務部門アンケート ~
「業務の明確化・効率化」が第一位
昨年11月に実施した全国総務部門アンケート(『月刊総務』2013年5月号で結果を発表)。総務部門の管理職を中心に多くの回答コメントが寄せられました。「総務部門の抱える課題」について見てみましょう。優先度の高い順に3つだけ選択して答えてもらいました。
第一優先課題
業務の明確化・効率化 |
39.6% |
無駄・コスト削減 |
15.7% |
社員研修・教育 |
9.6% |
第二優先課題
社員研修・教育 |
17.3% |
無駄・コスト削減 |
17.3% |
業務の明確化・効率化 |
13.2% |
第三優先課題
無駄・コスト削減 |
14.2% |
防災への対応 |
8.1% |
業務の明確化・効率化 |
7.6% |
総務部門の抱える第一優先課題は、「業務の明確化・効率化」が断トツの第一位という結果でした。どこにも属さない仕事を対応していたり、社内のよろず相談窓口となっていたり、さらに、総務部門の個々人の仕事が属人化していたりと、なにをやっているか分からない総務部門を、自らなんとかしていきたいと思っている結果の表れでしょう。
総務の業務は「社員のため」
実際、多くの総務部の方が迷っているのではないでしょうか?
「どのように会社に貢献したらいいのか」
「何を目標に仕事をしていけばいいのか」
「総務部をどのように捉えればいいのか」
総務部の仕事は、何か一つの目標を達成すれば良い、といった単純なものではありません。また、それぞれの企業で、その進め方も大きく異なっています。
総務部の仕事は、個々の場面では感謝、評価されたとしても、総務部全体としては、なかなか評価されないことも事実です。何をしているのか、何を目指しているのか見えにくい部門でもあるからです。なぜなら、日々の問い合わせや対応に流され、なかなか主体的に業務を進めることができないからです。
個々の業務には、それぞれの達成目標やプロセスが異なりますが、誰に向かって仕事をしているかと言うと、多くの場合、「社員のため」の業務であることは間違いないかと思います。対外的な折衝であっても、巡り巡って社員のためになるのです。
五感を意識した、働く場の環境整備
「今後の総務部門の役割は?」との設問に対しての回答コメントとして最も多かったのは、「働く場の環境整備」というものでした。社員が安心して、安全に働くことのできる環境整備。社員が本業に専念できる環境整備。もっと効率的に、そして生産性の上がる環境整備。まさしく「社員のための」業務です。
生産性の向上という側面で考えてみると、社員がストレス無く、仕事に集中できる環境を整えることが大切となります。具体的には、業務に集中できるレイアウト、ワークステーションの構築からはじまり、適度な室温や湿度、目に優しい光度、業務に支障のない音量のBGM、癒される香等々、人間の五感を意識し、五感に対して快い状態を作ることでしょう。
特段、大げさに演出する必要はありません。さりげなく施し、でもなんとはなしに集中力が高まり、生産性が向上する。そんな素敵なオフィスの創造が「働く場の環境整備」となるのではないでしょうか?