仕事依頼の断り方
抱えている空きリソース(人財)の宛先をみつけて、セールス・提案成就へもっていくためには、いわゆる並行営業はやむを得ないと思っています。
並行営業では時にいただけた引合が3件以上になるときもあります。1件しかないときも、1つもないときももちろんあります。悩ましいのは2件以上あったときに、その両方またはそれ以上複数から、同時タイミングで受注意思が示されたときです。選べるのは1つだけですから。
選び方はいくつか判断基準があります。弊社小職の場合「引合の受領順」「受注意思の着信順」「契約条件(単金や期間、勤務地等)」です。
基本的に、契約条件は判断基準として評価しないことにしています。昔、小職の側が引合を出す側にいたとき、受注意思を示した相手側に、これを理由に断られたことがあるからです。契約条件で仕事を選んじゃいけないとまでは言いません。ですが、これで断られた側はショック倍増、かなり落ち込みました。何度かあるのですが、あるときその「契約条件理由で」の相手方の説明の仕方にあまりに腹が立ち、以降絶縁したことがあります。その会社、担当者とはその後二度と取引をしていません。なので小職は、これを判定基準にしないことにしました。逆の立場の気持ちがわかる気がするから。
とはいえ、理想的なのは契約条件が良い順に引合を獲得して、その順に受注意思を引き出すような流れであることは確かです。そのように営業プロセスの工夫する努力は惜しまないようにしています。ただ実際、そううまくいくことにほとんど遭遇したことがありません(苦笑)。
なので、引合受領順もしくは受注意思着信順で毎回判断しています。そして、基本的には後者優先で評価しています。
ところが、たまにですが、ほぼ同一タイミングで2件同時に受注意思を着信してしまうときがあります。そのときは引合受領順で受注先を決定するようにしています。
それでも、お断りする側にとってショックであることに変わりはなく、ご迷惑をおかけすることになり気分を害されて、当面お取引がなくなることだってあります。1つしか選べないのでどうしたってどちらかをお断りするしかないわけですが。。その方、その会社様には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ですから、断り方にも礼儀の表し方があると思っています。その工夫は日々、毎回熟考を重ねているつもりです。毎回反省の繰り返しです。
自分のやり方の至らなさをふりかえるのはもちろん、自分が断られた場合、自分の仲間が断っている姿をみている場合、仲間じゃないけどある人がある人に断っている姿をみている場合、それぞれに学びのヒントがあります。
なんとなく経験的には、いくつか大事にしたいポイントがあると思っています。
- 言い訳をくどくどせず、まず結論をいち早く表明する(相手はいち早くそれを受けて動かなければならないから)
- 初回のお詫びは理由の説明も含めできるだけ簡潔にわかりやすく行い、ただしそれで終わりにせず後日適切と思われるタイミングを図り、計2回以上お詫びを行うこと(初回くどくどしない一番の理由)
- 可能ならその人(会社)に対して、少しでも禊になりそうな別引合を逆に提供できるように頑張る(それができる相手の場合)
- お詫び役が自分の仲間の場合、気付いた反省点があれば徹底的に指導すること
商売としてやる以上、並行営業=天秤を禁止するわけにもいかないんだけれど、時としてそれにより誰かにご迷惑をかけることがあります。そのときにいかに誠意を表明できるか、それは弊社の企業としてとか担当者の器量として周囲から評価される基準になると思っています。
コロナ禍で景気は明らかに良くない中、天秤の片方だけでなくもう一方も(将来の)お客様として維持していくべく、今まで以上に努力が必要だなと、葛藤の毎日です。