オルタナティブ・ブログ > トラパパ@TORAPAPA >

IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

礼儀x諦めない心xチームワークx健康な体。

»

先日のエントリを書いていたとき、コンサルタントに必要な素養ってなんだろうって、入院中のベッドでも考えていたのですが、あらためて自分なりの考えを整理してみました。

   

礼儀

PMOに限らず、コンサルティングサービスの多くは、「俺じゃなきゃ務まらない」差別的なものではなくなり、「それができるコンサルタントが複数いる」ものばかりだと思っています。

たまに実際クライアントから言われることでもあり、「このサービスは依頼できそうな奴が何人かいる。でもどうせならアンタにお願いするよ。人間商売、相性も大事だからね」って。

相性ってなんだろう。私は「礼儀」だと読み替えています。礼儀を重んじるサービス提供者の方が、サービスレベルと希望報酬に大きな差がないコンペの場合は、より選ばれる確率が高い、と私は信じているのです。

どんなサービス提供のケースにおいても、礼儀を大事にすることが、案件獲得の第一歩。そして、獲得後も案件遂行をスムーズに行える秘訣であると、私は考えます。

   

諦めない心

30年以上コンサルティング業になぜかずっと()携わってきましたが、1015年くらい前の頃は、案件開始の時点で既に、「だいたいこれはこうやってあれはこうやって・・・」と上手く任務を完了させるための道筋が大方みえていたことが多かったです。でも最近はそうでもなくなりました。もしかしたら私の腕が落ちたのかも知れない。ただもしそうでないのだとしたら、今引き受けている案件は、クライアントからしたら「アンタに頼めそうな仕事」であっても、実際開始前から最後までの道筋がみえてない中で、途中で軌道修正しながら進むことになります。だから「絶対、成功させる!」って信じて突き進む心がとっても重要です。

トラブルプロジェクトの再建の仕事もたくさん手掛けてきました。案件として仕事をいただく時点で既にプロジェクトが大きなトラブルに見舞われているわけです。こういうときはなおさら、道筋が最後までみえているわけがありません。一定進んでのち、見えてなかった道筋が少し先までさらに見えるようになり、そこで計画を軌道修正して進んでいき、最後まで完遂することをあきらめずに邁進します。しばしば「火消屋」と呼ばれることもありますが、火消屋だとしたら油断したら自分が焼け死ぬだけです(苦笑)。でも完全鎮火までの道筋はだいたいにして最後までは読めていません。「こういう状況ならこうしよう」という対策をたくさんひねり出しておき、それが必要な時に適切な順序でこなしていくだけのことです。簡単に言ってるっぽいですが、現実はなかなかハード、「折れない心」で突き進みます。引き受けたら最後、決して諦めてはならないのです。

   

チームワーク

一人で案件を請け負い完遂させるということはあまりありません。仮に弊社小職として一人だけで参画するとしても、その現場には多数の関係者がいます。みんなで共同して任務遂行にあたる必要があります。

クライアントも含め、複数の帰属先から集まったチームで仕事をする以上は、帰属先の手順や流儀に拘り過ぎず、チームワークを大事にして進めていく必要があります。時には(例えば)私がその現場に参画したことを煙たがる人もいます。でも通常仕事というのは「みんな仲良し」なわけがないのです。それぞれの関係者にそこまでの経緯背景や思い、時に私利私欲が渦巻いています。現場というのはそんなものです。

たまに過去のエントリで書いてきましたが、「楽しい仕事は儲からない」のです。「辛い仕事を面白がって完遂へ突き進む」のみです。そのためには自分から進んでチームワークを大事にする姿勢を見せ、貫くことが重要です。

コンサルタントの仕事は、Do the right thing、「正しいことをやる」のであって、計画された手順を正しく貫くこととはちょっと違います。そのためにはチームワークを率先して重視し、仕事を進める姿勢が不可欠なのです。

   

健康な体

手術・入院を経てなおさらのこと痛感したのですが、コンサルタントに必要な資本の1つは間違いなく「健康な体」「正常な思考状態」であり、任務を完遂するために非常に重要です。

サラリーマン・コンサルタントの頃、昇進会議で候補者の中で私だけ昇進を見送られたことがありました。そのとき社長、上司に呼び出されて言われたのが「お前は確かに優秀だ。でも欠勤が多い。最終的に納期や品質、予算が守れたとしても、大事なときかも知れないときに欠勤・遅刻する奴はコンサルタント失格だ。残念だが昇進は認められん。コンサルタントは体が資本なんだ!」と。なぜかそのとき私は悲しいどころか、それを伝える上司から、「昇進が認めてもらえなくてゴメンな」って言われて感動して、涙を浮かべた記憶があります。今でもとっても良い思い出であり貴重な経験です。

自分がその後上司になって、大事に育ててきたつもりの部下に大事なシーンで病欠されたときに、腹立ってしょうがなくておんなじ言葉を吐いた記憶があります()。決して自慢ではなく、、自分が昇進、出世していくときに、必ず先輩・上司を何人か抜き去っていったのが事実であり、その時々にいつも思うのです。スキルや経験がどう評価されたのか、抜き去ってしまったことは正当だったのか。そしてそんな葛藤する自分に自信を持たせるためにあらためて問うのです。少なくとも「体が資本」という点において、自分は今まで一生懸命頑張ってこれたのかどうかということを。。

大きなチームでも小さな仕事の場合でも、いつも休まず9時に出勤し22時までには帰路につく人と、16時に遅参し27時にタクシーで帰り&たまに病欠するが生産性2倍の優秀な人と、どっちがクライアントに評価されるのか、現場に必要とされるのか。今でも私が時々考える人財モデルの謎かけになっています。※

   

でもこれって、、別にコンサルティング業に限らないんじゃないかなと。少なくともサービス業全般に共通で言える素養じゃあないかと。少し前からビジネスホテルの取締役も担当することになったのですが、ホテルサービスの向上・維持や顧客のつなぎとめとかを日々考えているときに、結局は同様のキーワードがあらためて大事なんだなあ、って思うことしばしばです。。

唯一無二のサービスなんて世の中にあるのか?ないんじゃないか?そう考えると、この4つは常に大事に意識すべきことだなあって、最近は強く、痛感する毎日であります。

   

※これからの時代は、こういう比較論は世間の常識と違っていくのかも知れないですね^^;

Comment(0)