「胸を張って」コンサルタントを名乗ろう
最近、いくつかの現場で仲間たちに説いて回っている、
「コンサルタントとしての姿勢や行動様式」について、今日は書きたいと思います。
>コンサルタントは(上級)SEではない。
我々コンサルタントは、クライアントの要望通りに働くのではなく、
「クライアントを正しい/あるべき道へ導く」のが仕事です。
この定義は、SEの方々にとってもまったく同様だと思います。
ただ、よくある請負契約形態により、SEの方々は、クライアント側から定められた要件を、
まずは忠実に満たすようにシステム設計し、構築を進めていく必要があります。
要件には漏れや間違いが必ず発生します。そこは軌道修正をしていくことになります。
コンサルタントの場合、アウトプットを「請け負う」契約形態はかなり少ないので、
指定された要件の大枠での見直しが必要と思われた場合にそれを提言することがまず必要です。
15年くらい前に書いた著書でも指摘したのですが、
「今再構築の必要がないシステム案件はその計画自体を見直していただく」よう、
クライアントに働きかけることが我々の仕事です。
>コンサルタントは、周囲からみて明らかにパフォーマンスが高くなければならない
よって、コンサルタントは、特にクライアントの要望通りに仕事をするモードにおいては、
周囲より明らかにパフォーマンスが高くなければならないと考えています。
周囲との差=生産性や品質について、クライアントが納得できる目標を設定し、
それが遵守できなければならないのです。
>説得力やロジックがクライアントに理解できるレベルでなければならない
次に、特にクライアントを正しい/あるべき道へ導くモードにおいては、
その説得力やロジックがクライアントに理解できるレベルでなければなりません。
これができてはじめてコンサルタントを名乗る資格があると思っています。
この点においては、「クライアントがわかってくれないから」と、
言い訳することは絶対に許されません。困っているからクライアントは仕事をくれます。
クライアント側に何かが欠けているのです。労働力はもちろん、知恵とか経験とか。
他社事例とか未成熟の技術要素とか、新しいアイデアが我々に求められています。
>ゴールへまい進できるだけの体力と精神力がなければならない
「誰よりも早く出社、一番遅く退社する」は昭和の考えですが(苦笑)、
周囲を凌駕するパフォーマンスが要求されているということは、
O/T(残業)を促進推進することはもちろんできないものの、
目標達成のためには「時間という枠にとらわれず」ゴールへまい進できるだけの、
体力と精神力を備えていなければなりません。
私が最初に努めた会社の社長も、訓示で「コンサルタントはまず体力が資本だ」と、
力説されていました。30年くらい続けてきて、本当にそれを痛感します。
>必要に応じて作業手順の一部を端折ったり手順自体が変更できなければならない
コンサルタントの仕事は、何でも基本手順を全てふんでアウトプットを出すのではなく、
必要に応じてその手順の一部を端折ったり手順自体が変更できなければなりません。
もちろん、アウトプットを期待通りに創出することが大前提です。
もっと言えば、(目標イメージで言い直すと)
「インプットがゼロでも何らかアウトプットをひねり出す」ことができるよう精進が必要です。
常に、今の作業の進め方が、本当に現時点ベストに最も近いのか、
もっと良い改良策がみあたらないか、進捗や品質に影響ない範囲で試行錯誤を反復します。
もっとも、コンサルタントも人間であり、常に成長途上であります。
一定部分をポテンシャルで評価していただくことは手法としてそれを認めてあげたい。
ただし、ポテンシャルが実力へ少しでも変換されていくよう、
常に高い精進の姿勢を周囲に示し続けなければならないのです。
良くも悪くも「お前、コンサルタントなんだろ?!」っていつも言われます。
高いんだから、報酬に見合ったパフォーマンスを見せてくれよ!っていつも言われます。
それを嫌味ととらえず、そう言われ続けていく状況に反骨して、
1つでも少しでも、クライアントを「痺れさせる」パフォーマンスを追求していくべきです。
30年前に比べて、コンサルタントを名乗る人は本当に物凄く増えました。
よって、より激しい競争社会、悩ましい業界に変貌してきています。
私自身もまだまだ成長途上、少しでもクライアントや社会に貢献できるよう、
今後も仲間たちと共に、精進に励みたいと思っています。。