ポリティクスを理解してないコンサルティング成果物はぶっちゃけ価値無し
クライアント先や関係取引先の派閥争いや俗に言うパワーゲームについては、コンサルティングをするにしても考慮は必要です。
別にニュートラルを損ねた成果物を出そうと言っているつもりもさらさらありません。
ですが、
オーナーの嗜好を考慮していない成果物をオーナーに一生懸命読んでくれといっても難しいでしょう。
コンサルタントは明示的に「私たちの全面的味方となってください」と言われればそのために尽くすに決まっていますが、「中立的、第3者的目線を失わないでいろいろアドバイスを」と言われると、クライアントに対しても、「良くないことは良くない」「それよりはこっちの方が良い」という助言や進言も場合によってはやらなければならない。
時として、クライアントと(彼らの)対外取引先との間を中立的にさばくこともあれば、どちらかの仮想敵として振る舞うことで、それぞれにいい塩梅に花を持たせることも肝要だったりするのです。
これは決して卑怯でもインチキでもなく、正しいマネジメント手法だと信じています。
取組が成功するため、クライアントのゴールが達成されるためなら、たまにはあえて違うスタンスに立ち、(例えばですが)あえて敵に花を持たせてでもトータル・バランスをとることは重要です。
逆に、このようなステークホルダー間のポリティクス理解も浅いままにコンサルティングを展開すると、賢いクライアントの方々は我々がこういうたち振る舞いができることを知っていて、明言しないけれど内心、(この局面ではそういう結論を出して動いてくれと)阿吽の呼吸を待っているときもあるのです。
そこでそれに気づき、振るまえないのは「まだまだ」ということです。
これが提案のSCENEだったら、99%「獲れない」でしょう。
これが最終報告でのやりとりだったら、「大満足」は絶望的です。
われわれは及第点を目指してコンサルティングをするのではなく、大満足を目標に、「クライアントが唸るような成果を追い求めている」のです。クライアントにポリティクスがあり、複数・多数のステークホルダーがいる場合、どのクライアントに最大満足を与えることができるか、その他のクライアントにはそれぞれどのレベルの満足を与えるべきか、そして対外取引先含めどのような塩梅に花を持たせ、さらには時としてオーナーであっても結論が明らかなときは対峙してでも非を改めてもらう、このような態度が凛ととれなければなりません。
会計士や弁護士のような資格商売は別の世界があると思いますが、私の居るコンサルティング・ワールドは、対顧関係に「先生」も「下僕」も存在しません。「イコールパートナー」が大原則です。
そのためには、実はポリティクスを(目指すは)完璧に理解して立ち振舞うことが、とても大事なんです。