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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

廃業という決断

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最近、不祥事を理由に、企業運営がままならず、且つ引き取り手(売却先)もない、ということで廃業する企業が結構NEWSで報道されていますが、

・・・思うのですが、

企業の廃業ももちろんありますが、個人としても「廃業」という課題に悩む人が少なくないのではないでしょうか。

 

自分の場合、好きで始めたコンサルタント業を、「自分の旬は終わった、廃業だなあ」と悲観的になり、落ち込み、すっかり自信をなくし、とりあえず辞めてしまおうと思ったことが過去、2回あります。

1つは、パワハラに屈し、勤労意欲を失った某年の管理職時代。

もう1つは、4年前。まったく営業成績が軌道にのらず、CSも低いものが多々あり、己の限界に悩み葛藤した時期。

 

いずれも、なーんかよくわかんないんですが(笑)、一種の神風が吹いて、立ち直りました^^;

 

不肖業界を基にすると、多分(自身と周囲の友人知人の経験談から総合して)、いくつかの、転職をためらう時期があるようです。

① 26~28歳

② 30~32歳

③ 35~36歳

④ 40~42歳

(これ以降は未体験ゾーンなんでわかりませんでしたが、けんじろうさんに先日講演を聞いて45歳あたりも次のゾーンになりそうなことがわかりました。笑)

 

もっとも、これら①~④全てのタイミングにためらうかどうかは、個人差はあると思います。^^;

 

私の知る範囲で整理すると、コンサルタントの場合、次のような転職先があります。

・類似する同業ファームへの転職

IT寄りからより戦略志向なファームへの転職

・ユーザ企業、つまり事業会社(主に企画もしくはIT部門)への転職

・独立・起業

・家業を継ぐ

 

これまでに知る範囲ですと、

家業を継ぐ場合は結構若い場合(①~②)が多く、

戦略ファーム志向も大体若い場合が割合多い。

同業ファームへの機会はまんべんない気もしますが、経験値では④は相対的に少ない感覚があります。

その分、事業会社への転職割合は④が、結構大きい気がします。もっとも、事業会社行きも機会自体はまんべんないと感じますが、割合でいえば①<②<③<④みたいな感じで、歳を取ればとるほど、どうせ転職するなら事業会社へという傾向があるように思っておりました。

また起業については、ある程度経験を積んでからという傾向があるようで、②~④に偏るように思いますが、旬で言うと個人的には②~③がタイミング的に良いようにも思っておりました。

自分もいつかは「事業会社を起業」したい人間でしたので、現在、過去のエントリにも書いたように、派遣サービスという新事業を弊社内に立上げ、軌道にのったところで、(弊社マネジメントが許せば)別会社化したい、と思って日々精進しています。

(もっとも、クライアントネットワークという課題がある中で、資本関係を断ち切った「独立」を望んでいるわけではなく、良い協業関係にあるグループ(子)会社という位置づけを狙っています・・・まだ目処がたってないけど。苦笑)。

 

でも、そういうことを真剣に考えてきた、実際④の終わり際にいる自分の体験で言うと、「起業」をオプションに選ぼうとすると、ともすれば立上に失敗すると「廃業」を選択するはめになるわけですから、それなりに高いリスクがあるわけです。

もっと正確に言えば、こじんまりな起業はまだしも、そこそこおおがかりな起業を目指すと、コケるときも大きい(ダメージ)ですから、コケれば「廃業」となってしまいライフプランは大きく狂うことになります。

そんなプレッシャーと戦いながら、日々新事業と格闘するのが私の日課です。

 

というわけで、そんな類のことを過去から真剣に考えてきて、そして起業し日々真面目に努力し、精進して運営に励む・・・という日常と戦ってきた人なれば、世間を賑わせているような、「不祥事」が起こるはずがない、と今の私には思えて仕方がありません。

それでも起きてしまうのですから、「真剣」が足りないんでしょう。私もいつか悪い方に傾かないように、もっと襟を正さねばなりません。

そして、基本的には、ビジネスがうまくいかなくなった、成り立たなくなった、もう維持できない、という状態になったのであれば、(基本的な考え方は)、例え最終オプションが他社への売却であっても、経営陣は基本「廃業」(=引退)が前提であるべきと思います。例外として、現経営陣が技能的に極めて優秀で、彼らなくして存続がなければ仕方のない面もあると思いますが、残留が前提の存続は、私には理解できません。

 

変な例示になりますが、「くいだおれ」の「くいだおれ太郎」、変に盛り上がって商業価値が出てしまったので、「企業としては廃業」し、太郎はその後女将と一緒に新しい道に「転職」しちゃいましたが、私の個人的見解としては、もし太郎がセットのまま競売していれば、必ず買い手がつき、確かに創業者の大半は廃業することに変わりはなかったかも知れませんが、企業の存続は果たせたように思います。

だって、・・・そもそもあんまり美味しくなかったですよ。何度か行きましたけど。庶民の味だとして値段とは釣り合ってなかったと思いますね。サービスもすごい普通だったし。関係者の方々には(いまさら)大変申し訳ないですけど、・・・街のシンボルであることは疑いないですけど、観には行っても、入ろうとは思えない状態だったと思いますね(とかいいながら改善を期待して何度か入ったんですけどね^^;)

 

厳しいコメントはあまりしたくないのですが、個人的感情含みで言わせていただきますと、サービスレベルが現代のニーズを満たせなくなった企業の廃業を選択したかわりに、シンボルである太郎の商業価値にすがって生き抜こうとする、創業者の方々に、私は哀愁を感じます。ああ、・・・美味しく生まれ変わった「くいだおれ」への再建計画は諦めたんだなあ、と・・・もはや、「太郎」の商業価値以外、女将には興味がないんでしょうね。

いろいろご苦労された事情もお察しはいたしますが、・・・でも、企業として廃業を選び、個人としては「太郎」を廃業させずにまだ生き延びようという不退転の覚悟。・・・言いすぎなのかも知れませんが(苦笑)ちょっと理解に苦しみました。

 

そういう意味では、「個人の廃業の方が、企業の廃業よりも尊大な覚悟が必要な決断」なのかも知れません(まったく持って個人的な考察ですが・・・<(_ _)>)

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