たった1つのことで、全てが台無しになる(注:ビジネスの話ですので!!笑)
たまに日本代表レベルの人に、ダーツの練習、付き合ってもらうのですが、先日、過去3年間一度も勝ったことなかったのですが、ついに、・・・勝ちました♪
ダーツの話が主題じゃないので簡単に(?)解説しますが(笑)、ダーツは所詮、
「最終的に勝てば良し」
というとてもシンプルな戦略ゲームです。
だから、途中経過がどれだけ凄かったかなんてのは、基本的には「そんなの関係ねぇ」なんです(爆)
無論、スポーツの端くれ、プレイの美しさ、プレイヤーの人格、そして圧倒的な強さ、等々、美学は存在しますが、勝利に固執するならば、
「最終的に勝つ」
だけでいいのです。
これは、一方で、・・・実に難しいことです。
冒頭の初勝利、ターニングポイントを明確に覚えています。
当人は3本投げて3本BULL(ど真ん中、50点)に入って当たり前、たまに調子悪くても2本は入る、というツワモノです。一度満点(全部BULLで24本1200点)もみたことあります。
というわけでチャレンジャーの私も「2本MUST、頑張って3本共!」、作戦はシンプル、っていうか、これしかありません(爆)。
最近復調してきて、「2本MUST」は対戦前から出来そうな気がしていました。なので無心にこれに心がけていたのです。決勝の先行は私、2本以上、つまり2本(100点超)か3本(150点)を確実に目指し、獲っていきます。彼は3本返しが当然の戦略です。
ところが中盤に、1本、「刺さらなかった」のです(その1投は0点)。この1投で50点ビハインドです。
たったこの1投で、戦局があっさり変わり、圧倒的に自分が優位に立ちました。
もともとメンタルストレスとの戦い、微妙な気持ちの変化が244cm先の直径20cmくらいの的を狙う上で、すごい影響を与えます。
リズムを失い、私はそのあとも順調に逃げ切り、圧勝してしまったのでした♪(心の中でガッツポーズ・・・爆)
戦略がシンプルであればあるほど、1つのことで、全体があっさり壊れてしまうのは、ビジネスの世界もまさに「その通り」です。
売上が伸び悩んで困っていると聞き、ざっと状況をみさせていただくと、大抵のお客様が、充分に戦略を練ることなく、「たくさんの商品・サービスを多角的に売ろう」としています。
1年通してあとで締めてみると、大体の場合、戦略的注力商品(またはサービス)以外はたいして売れてない(あるいは儲かってない)ことが多いんです。
弊社のようなサービス業にもあてはめてみます。
弊業界はシニアメンバーがアカウントマネジャーとしてサービスを売っていきますので、個々の得意技が「戦略的注力サービス」ということになります。
極論を言えば、全員ばらばらでも構いません。それぞれが注力してそれをいっぱい売れば、多分に利益もそれが一番率もいいはずですから、全員が異なるサービスを売っても理論的にはOKです。
ところが、サービスを売ったあとに仕事をするコンサルタントは、アカウントマネジャーより多数存在するので、どのアカウントマネジャーと仕事するのか、どのサービスがそもそも適性として得意なのか、たまたま仕事がないときには何を誰とやってバックアップするのか、基本的に関係者となる人達との相性はどうか、・・・等々、細かい運用はそうそうシンプルにもいきませんので、ある程度は「会社全体での戦略的注力サービス」も定義し、みんなで合意形成してそれをブランド的にも押し出して・・・と、企業全体としての方向性はきちんと決めて仕事をするわけです。
私の会社に限った話なんかじゃなくて、商品・サービスが売れるかどうかには、「旬」というものがありますし、戦略的に「チャレンジ」するものと確実に売り上げておく「アンカー」と2つの要素のバランスも注意する必要があります。
ベンチャー企業だって100%「チャレンジ」とは行かないはずです。
というわけで、自分達的には綿密に丁寧な戦略企画を行い、実行計画を詳細に落としこみ、ビジネスに邁進していく、・・・つもりなのですが、
たった1つのことで、全てが壊れることがあるのです。
理由はどうあれ、
戦略的注力商品が売れなかった。士気が低下。
アンカーが計画外に消失し、キャッシュが不足した。
チャレンジしすぎてコストがかさみ運営基盤が維持できない。
書くと悲劇的にしか読めませんが、大体にしてこういう悲劇に遭遇しているケースは、多角的に「商品・サービスを売る」ことを戦略に掲げており、それを各担当が自由にアカウントマネジメントしていて、という或る意味シンプルなモデルなんですが、誰ががコケた瞬間に、ドミノ倒しみたいに連鎖反応で・・・あれ?あれ!?、となっていくようです。
で、いろいろ相手の状況をじっくり聞いていくと、意外にも、そのきっかけに、「たった1つの失敗」がみえてきたりします。
「たった1つの失敗」で、
「チャレンジ」が「不可能」になったり、
「アンカー」が「消失」してしまうのです。
大抵、この状態においていわゆるパニックになっています。
「反省するヒマあるならもっと頑張って売ってこーい!」という気持ちもわかりますが、無策というわけにもいかない。ちょっと立ち止まって反省くらいしましょうよ・・・
たまには反省もしなければ素直になれないし、前向きになることもできない。
というわけで振り返るのはいいことですが、パニックになったままでは、練りあがった戦略もなしに、現在の不遇や業績不振をなげき、目の前にみえている案件の芽をかたっぱしから狙っていくばかりで、売上にはつながらないのです。
私も20年くらいサービス業やってきて、最近はほんとに、・・・この「商売の仕組み」を痛感します。
おわかりいただければ幸いですが、ビジネスにおいては、
「チャレンジ」と「アンカー」の両方が「戦略的注力商品」なわけです。
配分も大事ですが、「両方失わない」ことが何よりも大事です。
できれば、業績不振の回復よりも、好調な企業からさらなる成長戦略のお手伝いで、仕事がいただければ最高ですが・・・贅沢いってもしょうがないので、(基本的には)何でもお手伝いいたしますが、
・・・でも、だからこそ、「たった1つのことで台無しにした痛い体験」を、心を開いて、悩んでおられる方々には、「両方失わないために」真摯に私の言葉を聞いていただきたい、と思う今日この頃です。