胴体着陸、火花数秒、「訓練」通りに?乗客ら歓声!
いやー、やっぱり飛行機は怖いよ。
映画とかで「Crash Landing」とか言いますが、映像でこの胴体着陸みましたが、
・・・確かに、上手い!!
機長さん、偉い!かっけー!!
ゆっくりと機首を接地させ、火花をあげながらも着陸に成功した全日空機。とたんに、機内からは拍手が起こった。13日、高知空港であった胴体着陸。「(万一に備えて)名刺に事実経過を書いた」という乗客らは「無事に降りれて、ホッとした」と笑顔。また、空港ビルやテレビ映像で成り行きを見守る関係者からも、大きな安堵のため息がでた。だが、大惨事に結びつきかねないトラブルは一体なぜ、起こったのか。原因の究明が待たれている。
トラブルが起きた全日空機は高知空港を通り過ぎ、周辺の上空で旋回を続けた。客室乗務員から「しばらくお待ちください」とアナウンスがあった。30分ほどしたころ、いぶかしむ乗客に、再び機内放送があった。今度は機長。「実は、前輪が降りません」。乗客からため息が漏れた。
しばらくして、急旋回で前輪を振り出すことが試みられ、ベルト着用の指示が出た。機体は大きく横に振れ、強い圧力が乗客にかかった。みんな、息をのんで耐える。
その後、後輪を滑走路に接触させて衝撃を与える「タッチ・アンド・ゴー」も試みるが、だめだった。後輪の出し入れを続けていたため、機内にはウインチを巻くような「ウィーン」という音が響く。普段なら何ともない音だが、乗客らの不安をかきたてた。
いろいろ試したが、どれもダメ。胴体着陸の実施が決まり、機長や客室乗務員が「訓練しています。衝撃があるかもしれないが安心してください」とアナウンスする。一度は午前10時半をめどにしていた着陸時間。だが、準備が整わず、延長された。状況のささいな変化も、見守る関係者を不安におののかせる。
そして、午前10時50分すぎ。全日空機は機体を左右に少し揺らしながら、着陸体勢に入り、速度を落とした。周囲の人らの目がクギづけになる中、2つの後輪が滑走路に着くと、そのままの態勢で滑走しながらゆっくりと機首が下がり、接地。とたんに噴き上げる火花に、見守る人たちの体がこわばったが、機体はそのまま減速を続け、間もなく停止した。すぐさま消防車が駆け付け、一斉に放水して火を消す。
無事、着陸。乗客らは一斉に、拍手で喜んだ。
大阪府茨木市の会社員、蔵所佳範さん(34)は「やり尽くしたので仕方がないのかな、と思った。着陸時の衝撃や響きは意外に少なく、いつ胴体が接地したのかは分からないくらいだった」とふり返る。
午前11時すぎ、迎えのバスが乗降口前に到着。乗客らは、50センチ下の路面に、元気よく飛び降りるようにして外に出る。ビジネス客とみられる男性が多いが、いずれも比較的落ち着いた様子。中には、機内での長い緊張のせいか、係員に支えられるようにして降りる人もいたが、降りてからはしっかりとした足取りをみせていた。
大阪府東大阪市の会社員(32)は「機長から『前輪が出なくなった』とアナウンスがあり、ウソかと思った。約2時間の旋回中は、何も出来ず、機長に任せるしかなかった。無事に降りられてよかった」
兵庫県尼崎市の滝原勇さん(58)「大丈夫だろうと思ったが(万一に備え)家族に事実を伝えるため、名刺に事実経過を書いた」とふり返る。また、高知へ出張にきた京都市の会社員、門前要佑さん(25)は「着陸時に炎上したら、どうしようと思った。今、降りられてホッとしている」と安堵の表情をみせていた。
飛行機はほんとに安全な交通手段なのか?航空旅客機の信頼性は??機長(達)の操縦技術は大丈夫なのか???
いろいろ考えさせられる事件でした。
「訓練したとおりにやりました」とこの機長さんは語っておられるのですが、ホンモノの胴体着陸なんて訓練はできないでしょうから、擬似的な訓練をしたということだと想像します。それでホンモノのトラブルを見事に対処したのだから、ほんとうに凄い!
私のビジネス世界でも似たような悩ましい「リハーサル」体験があります。
全てを本番と同じ規模で「試験」することは、無理です。
いわゆる「縮小」スケールでやることになります。
障害・災害等の「異常系試験」は特にそうです。
昔、本番前のリハーサル初日に阪神大震災が発生。ほんとに関西拠点のサーバーや事務所が崩壊してしまいました。
当然、この初日は縮退運転試験にプログラム変更。いわゆるバックアップ系への切り替えです。
当たり前ですがリアリティがありました。システムの切り替えは以前のテストでも訓練済みだったわけですが、実際は、
事務が大混乱。
ホンモノの震災で関西拠点の業務が停止しており従業員もパニック状態。これを他拠点が全て代替、業務のバックアップをしなければならない。
IT部門は事務業務のバックアップに関係ないかというと、そんなことありません。縮退運転時のオペレーションを教えるために、各所へ奔走しなければなりません。
言い方が不謹慎かもしれませんが、本当にためになったリハーサル(というより本番体験でもあった)。
いわゆるコンティンジェンシープランは何をどこまで書いておかねばならないか、マニュアル書きのスキルが驚異的に向上しました。これは不肖だけの話でなく、参加者全員がそう体感したと思います。
実は、たまたま、このプロジェクトでは進捗が遅れ気味で、正常系の前に異常系の試験を優先するつもりで(シナリオ書きが楽なのです)、そちらを入念に「訓練」していました。
たまたまなわけですが、その「準備」が、この有事でかなり役に立ったようです。
真剣な「訓練」は、ほんとに参加者を成長させます。きちんと計画しなきゃだめですね。