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消費者金融業会の無人店舗統廃合から考察する今後のバーチャルチャネルのありかた

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最大手武富士が無人店舗100箇所の統廃合を発表しました。

私は、全国都道府県でNo.1の自己破産率を誇るらしい超見栄っ張りの九州熊本の出身ですが(一昨年当たり知った)、確かに県内あちこちに結構大きな無人店を見かけた記憶があります。それが今後減ってなっていくわけです。

数年前ある都市銀行のコンサルティングをしたときに、ACMという無人店舗に相当する機械の利用率を調査した結果を知る機会がありました。24時間この機械のところにいけば窓口業務のいくらかはサービス提供してもらえるのです。

ところが・・・全調査したところ、その3割以上は、夜はいわゆるホームレスの人達の寝床になっていて、汚い・気味が悪いからと顧客が寄りつかない状況になっていたのだそうです。その後設置促進はすっかり減速したと聞きます。

また、これは余談でちょっと話がそれますが、以前、ケーブルテレビの熱帯魚チャンネルで、無人状態でカメラが24時間水槽の熱帯魚をずっと映して、それを配信するというものがありまして、あるとき一匹熱帯魚が死んでしまって、それがぷーかぷかと浮いている状態が2時間くらい放映されちゃって、クレームがきてあわてて配信業者が現場へ飛んでった、なんて話を重ねて思い出します。

ほったからしはいけませんよね。ちゃんとWATCHしなくっちゃです。

バーチャルチャネルというのは本当にどんどん進化と衰退を繰り返しています。

Lモードは近日廃止になる方向ですし、携帯電話は小口決裁機能の幅をさらに拡大しています。

数年前、バーチャルチャネルは有人チャネルの収益効率を増大させるためのマーケティングツールとして着目されているという見解を延べた方と意見交換したことがあります。

ですが、現在は収益を産まないバーチャルチャネルは縮小の道へ歩み始めた感じがします。

無人契約機でこれから消費者金融会社と取引をする潜在顧客はその数が減ってきたのでしょう。あるいは残存潜在顧客数と消費者金融会社数のバランスが崩れたのだと思います。

銀行ATMは多様化し、単なる入出金や振込み以外の機能を多彩に備えるようになり、インターネットバンキングも充実・定着化し、ショッピングやクレーム対応のためのコールセンター運営もどんどんこなれていく中、今回NEWSになったような無人契約機というのは、金利問題がトリガーになったのは間違いないのですが、1つのバーチャルチャネルの、時代の終わりをみている気がします。

仕事柄、いろんな金融サービス業、いろんな商品に適当に手を出してその特徴や利点欠点等を理解するようにしています。

大手なら大抵の消費者金融会社にはお客になって実際のサービス等について独自に分析したりもしてきました(ヤミ金はさすがに無理ですが)。

背景や原因はどうあれ、本当にお金に困って銀行も信販も融資してくれない人にとって、消費者金融会社はいわば命の恩人です。

ですがその命の恩人が機械やその他バーチャルチャネルでいいのかという個人的には疑問があります(もちろん恩人側が適切なサービス姿勢でいるのかという問題は別に存在すると思いますが)。

ある意味、無人契約機はなるべくして淘汰の道に進んだ気がします。直接対面せずに機械を通して融資審査をする仕組みはこれからの社会に不要なのかもしれません。それだけ、借り手も恥ずかしいとかいう問題だけじゃなくて、少しでもいい条件で、且つ確実にお金を借りたい、という切実な気持ちで、業界にサービスを期待してきたのだという気がしています。実際、今は携帯でキャッシングできるサービスがありますので恥ずかしい人も(条件が厳しくはなりますが)対面なしで融資を受けることは可能になっています。

いろいろ事情やしがらみがあって手数料に現状は差がありますが、銀行ATMの長蛇の列を避けコンビニATMで買い物ついでに入出金をしたり、スピードとサービス品質が向上した店頭手続きを利用してコミュニケーションを重視する姿が多くなる社会へ、時代が進化する方向を切に望んでいます。

それは、サービスの主役は対面型であり、補助的・補完的役割にバーチャルが不可欠との小生の認識に基づきますが、であれば、

それを適切に補助する形にバーチャルチャネルが整備され、定着化してくれることをさらに切に望む次第です。

そのためにも、サービス提供者側にも安易にバーチャルでのサービス提供を促進するのではなく、時代の変遷にあわせて形や内容をかえて常にバーチャルのありかたを調整し、ユーザニーズにマッチしていって欲しいと思います。

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