iPodでリアルな3D録音をしてみる
Belkin TuneTalk Stereo for iPodというiPodやiPhoneで使えるボイスレコーダを買いました。もともとはオフィスでミーティングなどの録音に使えるかと思って買ってみたんですが、考えてみればオフィスでは基本的にレコーディング機材の持ち込みはNGでした。で、ふと思いついたのが、環境音録音機として使ったら面白いかなということでした。
Belkin TuneTalk Stereo for iPod
TuneTalkをiPod Touchに装着するとこんな感じになります。なんか仮面ライダーみたいに見えてきます。
左から、USB、AUTOGAINスイッチ、マイク入力兼ライン入力ジャック
立体的に録音するには... 「バイノーラル録音」
さて、このままTuneTalk内蔵のステレオマイクを使っても平坦な録音しかできません。立体的に録音するために、バイノーラル録音という録音方式をやってみることにしました。バイノーラル録音とは、簡単に言うと、人間の耳の位置にマイクを置いて録音する方式です。ヘッドフォンで聴くと普通のステレオ録音よりも、右にあるものは右に聴こえて、左にある物は左に聴こえて、リアリティのある録音ができます。
バイノーラルマイクを作る
そこで、イヤフォンを改造して、バイノーラルマイクを作ってみました。バイノーラルマイクといっても、ようはイヤフォンのスピーカーをはずして、マイクカプセルを代わりにつけるだけです。
最初は、マイクカプセル。パナソニックのWM-61Aという無指向性のマイクカプセル(エレクトレットコンデンサマイクロホン)をオンラインのパーツ屋さんDigiKey(http://www.digikey.com/)から購入。1個$1.86でした。
非常に小さいです。裏には2つ端子があり、この写真だと、上がアウトプット、下がグラウンドです。
そして、いらないイヤフォンを用意し、そのイヤフォンを分解します。はんだごてを使ってイヤフォンの中に入っているスピーカとケーブルをはずし、代わりに、このマイクカプセルを左右それぞれのイヤフォンスピーカーのケーブルにハンダ付けします。イヤフォンのプラグは先端の方から、左、右、グラウンドの順です。テスターを使って、その端子につながっているリード線を見つけて、イヤフォンのリード線とマイクをハンダ付けします。マイクカプセルは極性があるので注意。イヤフォンに穴をあけて、マイクカプセルが外側に向く様に、マイクカプセルをエポキシパテで接着します。それで、できたのがこれです。
できたバイノーラルマイクは、イヤフォンの形をしたマイクになりました。イヤフォンと同じ様に耳につけて録音します。スピーカーは取ってしまったので、なにも聴こえません。プラグは、ヘッドフォンジャックではなく、マイク入力のジャックにつなぎます。
録音アプリも必要です
バイノーラル録音をするためには、ステレオで録音してくれるレコーダーアプリが必要です。基本的にステレオで高品質で録音できるものならなんでも良いんですが、録音レベルが表示、調節できるものが良いです。以下は私が知っている録音アプリです。
Rectools02
日本語ウェブサイトもあります。私はこれを使っています。機能が豊富です。難を言えば、アプリを立ち上げている間にマイクをはずしたりするとうまく動かなくなること、また、コントロールが小さいことでしょうか。
iProRecorder
海外で定評のある録音アプリ。
FiRe
フィールドレコーディングに特化した録音アプリ。
いざバイノーラル録音
バイノーラルマイクもできたことなので、いくつか録音してみました。うまく立体的に録音されているでしょうか...
聴くコツとしては、ホワイトノイズ(シャーという音)が出る手前くらいのボリュームレベルで、ヘッドフォンかイヤフォンで聴くことです。
レシートをくしゃくしゃ
レシートを右でくしゃくしゃ、左でくしゃくしゃ、最後はぽいっと捨てちゃいます。
ドアの開け閉め
ドアを開けて閉めるだけの音ですが、かちゃっ、ばたんと言う音が立体的に聴こえます。
バイノーラル録音、気になるサイト
@nifty:デイリーポータルZ:168円で立体的に録音する
バイノーラル録音で遊ぶ
hacking tone
「ヘッドホン紹介ページ」:バイノーラル録音とは?
というわけで
iPod TouchとBelkin TuneTalkを使って、バイノーラル録音を試してみました。次はいろんな音をもっと録音してみたいとおもいます。
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