「去ってほしい社員の条件」の社訓を掲げていた会社はなぜ潰れたのか
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ちょっと前になりますが、先週の『カンブリア宮殿』にニコニコ動画を運営しているドワンゴの川上量生会長が出ていたのはご覧になった方も多いかと思います。放送中に、社内に飾られた額縁にあった「去ってほしい社員の条件」というのを紹介していました。内容はというと……
去ってほしい社員の条件
一、知恵のでない社員
一、言わなければできない社員
一、すぐ他人に頼る社員
一、すぐ責任を転換する社員
一、やる気旺盛でない社員
一、すぐ不平不満を言う社員
一、よく休みよく遅れる社員
実はこれはドワンゴの社訓というわけではなく、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが持っていたものを譲ってもらって飾っているだけで、もともとは鈴木さんが潰れた会社のオフィスでひろってきたものらしいとのことでした。川上さんのこういう人を食ったようなところが面白いですね。
この「去ってほしい社員の条件」自体の内容は特に悪くないと思うのですが、なぜこれを掲げていた会社が潰れたのかを考えてみました。一つは、単に掲げていただけで、これを守るための方策を何もとっていなかったのではないかということです。たとえば、これに該当する社員には何か罰を与えるとか、評価基準に直結させるとか。
もう一つは、この内容の文面がネガティブなので、無意識のうちにそのネガティブさに捕らわれてしまう社員が多かったのではないかということです。よく自己啓発書やビジネス書に書かれていますが、脳はポジティブとネガティブの区別がつきにくく、たとえば「遅刻をしない」というと「遅刻」にとらわれ逆に遅刻してしまうので、「時間を守る」のように書いたほうがいいということです。上の社訓も、たとえば以下のようにすればよかったかもしれません。
会社に残ってほしい社員の条件
一、創意工夫する社員
一、言われる前にやる社員
一、自発的に動く社員
一、自分で責任を持ってやる社員
一、やる気旺盛な社員
一、前向きで建設的な発言をする社員
一、時間を守る社員
社訓をつくるときには、その内容や扱い方に注意したいですね。
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