スティーブ・ジョブズ氏と自分史
スティーブ・ジョブズ氏の伝記が、すでに予約だけでアマゾンのブックチャート1位になっているようですが、取材嫌いのジョブズ氏がなぜ自分の本を出すつもりになったのかがオルタナブロガーの玉川岳郎さんのブログに書かれていました。エントリーのタイトルにもありますが、「子供たちに知ってほしいんだ。私は彼らのためにいつもそばにいてあげることができなかった。私がなぜ、何を成したのかを理解して欲しいんだ。」ということのようです。
ジョブズ氏やアップルについては、すでに多くの本や記事が書かれているので、子供たちもそれらを読めば自分たちの父親の偉大さは十分わかるでしょうけど、別の人に書いてもらうにせよ、自分がやり遂げたこと、考えたこと、思ったことを自分の言葉できちんとした形で伝えたかったのでしょうね。自分史を残したいと思う人の一番の動機は、まさにこれですね。
スタンフォード大学の卒業式での伝説のスピーチも、テレビのニュース番組や新聞記事など、改めていろいろなメディアで取り上げられていましたが、このスピーチの内容も、まさにジョブズ氏の自分史です。私は、自分史は自己PRやパーソナルブランディングのツールになるという話をよくしていますが、その典型例ですね。
ジョブズ氏はこのスピーチの中で、未来に先回りして点と点をつなぎあわせることはできない、できるのは後からつなぎ合わせることだけだという話をしています。また、大事なのは自分の好きなことを見つけることだとも言っています。過去の点をつなぎ合わせることで、自分の好きなことを見つけるのに役立つのが自分史です。ジョブズ氏はいろいろな意味で自分史をうまく活用していたんだなと思います。こじつけだと言われそうですが(笑)。
ジョブズ氏は、人生の時間は限られているから、他人の意見に惑わされずに、自分の心の声と直感にしたがう勇気を持てと言っています。それが自分らしく生きるということだと思います。私は自分史を活用して自分らしく生きる人を増やし、日本を元気にしていこうという活動を自分史活用推進協議会の仲間と進めていますが、自分史の魅力と活用法をより広く知ってもらえるようにがんばっていきます。