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触媒のように世の中のいろいろな人やものをつないで変化を起こしていきたいと思っています

人を巻き込むための強力な武器は、世界をこのようによくするのだという明確なビジョンを示すこと

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今回のオルタナブロガーミーティングは、サミーさんこと千葉雅美さんが「人を巻き込むために心がけていること」というテーマで話をされました。サミーさんの一生懸命さが伝わってきて、人をつなげていくことでビジネスをプロデュースしていこうというところも私と志向性が似ていて、とても共感できる内容でした。参加者の方々からの、人を巻き込むためのアドバイスもいろいろ聞けて参考になりました。詳しい内容については、サミーさん本人や、ほかのオルタナブロガーの方々がすでに書いてらっしゃるので、ここでは触れません。

私も、人を巻き込むためのアドバイスということで聞かれたのですが、140字以内でと言われてうまくまとめられなかったので、ここで改めて書いてみたいと思います。

私が言ったのは「志、ビジョンを明確に示すこと」でした。これはちょうど『スティーブジョブズ 驚異のイノベーション』の著者来日イベントで聞いた話にもつながるのですが、世界をこのようによくするのだという明確なビジョンを示すことで、共感を得て、協力者を巻き込んでいくということです。ここで私自身の経験談を紹介します。

私がロサンゼルスに住んでいた2003年ごろに、私と同様にロサンゼルスに移り住んだ映画監督のすずきじゅんいちさんと、奥様で女優の榊原るみさんと知り合いになりました。すずきさんから、日本で監督された映画のフィルムをロサンゼルスに持ってきているので、上映会をやりたいという話があり、それなら協力しますということで、プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトを進めるためには多くの方々の協力が必要です。

それでまずやったことが、趣意書をまとめることでした。その際に「日本の心温まる映画をアメリカの人に見てもらい、日米文化交流に寄与する」というビジョンを明確に打ち立て、上映会のタイトルも「Chanoma Film Festival」と名付けました。その趣意書を持って協力してくれそうなところを回り、領事館(外務省)をはじめとして、ジェトロや国際交流基金などの政府系団体の後援や、南加日経商工会議所、日米協会など地元の団体の後援、現地の日系メディアの協力、企業からの協賛、ボランティアスタッフの協力など、多くの方々からの支援を得ることができました。

ロサンゼルスの日系社会では新参者だった私たちが、これだけ多くの方々を巻き込み、支援を得られたのは、やはり日米交流や現地の日系社会にとっていいことをするのだというビジョンを明確に示し、共感を得ることができたからだと思います。映画祭は無事に成功裏に終えることができ、その後は、すずきさんの作品だけでなく、幅広い作品を上映する形にして、作品公募もするようになり、「日本の映画人がアメリカに進出するきっかけをつくる」というビジョンも加えて、紆余曲折もありましたが、ほぼ毎年映画祭をやるようになりました。2008年にJapan Film Festival Los Angelesとタイトルを変え、私が日本に戻ってきた後も、毎年4月に開催する形で続いています。

先日、日米メディア協会の代表で、現在映画祭の実行委員長を務めている朝倉さんが日本に来ていたので、会って今年の映画祭の状況について話を聞きました。今年は公募から上映した作品の中から、アメリカで配給することが決まった作品があると聞き、私たちが掲げていたビジョンが実際に実現したことを知って、とてもうれしかったです。

このように、人を巻き込んでいくためには、魅力的なビジョンを示すことはとても強力だと思います。ただ、ビジョンを立てればそれでいいということではなく、それに情熱を持って真剣に取り組むことが大事です。ぜひ多くの方々に、世界をこのようによくするのだという明確なビジョンを持って、情熱を持って取り組んでもらえたらと思います。

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