【3Dプリンタ】これからの「データ」の話をしよう
書籍「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」で紹介されて日本で注目されるようになったものに3Dプリンタがあります。ようやく実用的な機能と価格の国産製品が出てきました。
オープンキューブ、18万9,000円の 3D プリンタ「SCOOVO C170」発売、国産/日本語ソフトなどで安心導入
この後の3Dプリンタは3つの方向へ進むと予測されます。
- 低価格
より高機能な3Dプリンタをより安い価格で入手できるようになるでしょう。 - 高精細
3Dプリントできる作品の精度は価格に比例します。より細い線密度でプリントできるようになるでしょう。 - 素材の多様化
現在はプラスティック系素材が中心ですが、金属や木材が使える機種が増えると思われます。また、プラスチックはカラー対応へ進むでしょう。
個人的には今の3Dプリンタはまだ過渡期の製品であり、自腹で購入して所有するとすぐ陳腐化すると考えていて、まだ手を出していません。8ビットパソコン黎明期に80桁の”ドットインパクトプリンタ"が30万円近い値段を付けていたことを思い出してしまいます。
今後はキンコーズのようなデータを預かってプリントしてくれるサービスが、3Dプリンタで普及すると予想しています。明確な用途がないのであれば、しばらくは所有より利用に徹するという手もあります。
テレビや新聞で取り上げられる3Dプリンタブームと言える状況を見ていると、少し気になることがあります。
その多くは「3Dプリンタ、すごいね」「3Dプリンタを導入しないと世界に遅れます」的な切り口がほとんどで、実際に3Dプリンタで出力するデータをどうするか、という視点があまり感じられません。
「コンピュータ、データがなければタダの箱」であり、3Dプリンタに出力するデータをどうすれば作れるのかは重要です。企業であれば3D CADで設計しているデータをそのまま使えばいいのでしょうけど、個人がいきなり3D CADを始めるのはハードルが高いです。ワークショップ等の充実が必要と考えます。「月刊3Dプリンティング」のような雑誌が成立するくらいになれば、本物でしょう。
あわせて次世代を担う子供向けに3Dデータの教育が必要と考えます。学校のカリキュラムに戦略的に加えていく必要がありそうです。