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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

課題管理表にいつまでエクセルを使うのですか

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小俣さんが「請負仕事の愚痴」で工程管理やドキュメント管理の手間について書かれています。

システム開発が山場になってユーザ(顧客)が実際の画面を確認する段階になった時に活躍するのが、いわゆる課題管理表です。ユーザ側が見つけた問題や新しい要望を表に記入し、それに対して開発側が回答して課題の進捗を管理します。

課題を一カ所にまとめて管理することは、モレやダブリをなくすために必要なことです。しかし、この課題管理にエクセルを使っていると、本末転倒の手間がかかることがあります。

課題管理表のエクセルファイルをサーバーの共有フォルダに置いて、各自で更新していくのが一般的なやり方と思います。課題の発生件数や記入する人が少ない場合はこれでも大丈夫です。

テスト工程に入って課題が次々出てきて、課題と回答を複数の人が頻繁に書き込むようになると、書き込みの競合が発生して、もうダメです。いつの間にか各担当者がエクセルのコピーを自分で抱え込むようになりがちです。

定例のプロジェクトの打ち合わせの前に、全員のコピーを1つにまとめ直すだけで毎回数時間をかけることになるでしょう。実際に複数のプロジェクトでそういう状況を体験しました。このマージ作業は全く無駄な工数です。

エクセルは小回りがきく便利なツールですが、双方向のやり取りが発生する用途は不向きです。課題管理には専用のアプリケーションをお薦めしたいところですが、どうしても手軽に表形式でということであれば、Googleスプレッドシートをお薦めします。

GoogleスプレッドシートはファイルをGoogleドライブにおいてブラウザで操作する表計算アプリケーションです。リリース当初から地味に改善されてきて、エクセルと比べた違和感は少なくなってきました。

Googleスプレッドシートの特長は、複数の人が同時にアクセスして更新する使い方を前提としていることです。Googleスプレッドシートは「保存」ボタンがありません。セルの内容を更新してカーソルが移動すると自動的に保存されます。※「取消」機能はあります。

他の人が更新しているかを気にすることなく、サーバーのファイルをいつでも開いて入力することができます。

Googleスプレッドシートはエクセル形式にエクスポートする機能があります。この機能を使って毎日1回Googleスプレッドシートからエクセルファイルを作って、自分のパソコンや社内サーバーにダウンロードしておきます。これでバックアップは充分です。何らかの理由でGoogleスプレッドシートの内容を復旧しなければならない状況になった時は、保存しておいたエクセル形式のファイルからGoogleスプレッドシートにインポートできます。
ポイントは常にGoogleスプレッドシートを正として更新し、エクセル形式のファイルはあくまでも参照専用としておくことです。

「Googleのサービスに守秘性の高いファイルを置くのはどうか」という議論は今でもありますが、近頃は中堅・大手企業でGoogle Appsを契約することは珍しくなくなってきました。セキュリティーの問題はクリアできると考えます。

今までのやり方を変えて、無駄な作業をなくしてはいかがでしょうか。

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