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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

あのイイ話は本当にいい話だったのか

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元ネタを知っている人も知らない人も、ちょっとお付き合い願います。

以下の文章で【AAAA】を「日本人女性」、【BBBB】を「身体障害者」「在日外国人」「田舎者」「…」…(以下省略)のうちからお好みで選んで、置き換えながら読んでください。

それでは、スタート。

50代とおぼしき妙齢の【AAAA】が機内で席につくと
彼女は自分の隣が【BBBB】の男性であるという事に気がついた
周囲にもわかる程に激怒した彼女はアテンダントを呼んだ
アテンダントが「どうなさいましたか?」と訊くと
「分からないの?」とその【AAAA】は言った
「隣が【BBBB】なのよ。彼の隣になんか座ってられないわ。席を替えて頂戴」
「お客様。落ち着いていただけますか」とアテンダント
「当便はあいにく満席でございますが
 今一度、空席があるかどうか、私調べて参ります」
そう言って去ったアテンダントは、数分後に戻って来てこう言った
「お客様、先ほど申し上げましたように、こちらのエコノミークラスは満席でございました。
 ただ、機長に確認したところ
 ファーストクラスには空席があるとのことでございます」
そして、女性客が何か言おうとする前に、アテンダントは次のように続けた
「お察しとは存じますが、 当社ではエコノミークラスからファーストクラスに席を替えるという事は
 通常行っておりません
 しかしながら、或るお客様が
 不愉快なお客様の隣に座って道中を過ごさざるをえない、という事は
 当社にとって恥ずべき事となると判断いたしますので
 当然事情は変わって参ります」
そして【BBBB】の男性に向かってアテンダントはこう言った
「ということで、お客様、もしおさしつかえなければ
 お手荷物をまとめていただけませんでしょうか?
 ファーストクラスのお席へご案内します」
近くの乗客が、歓声をあげるのを
その【AAAA】は呆然と眺めるだけであった
スタンディングオベーションを送る者もいた

はい、お疲れ様でした。

元ネタはこちらです。

私が元ネタを読んだ時に、これが実話かどうかは気になりましたが、イイ話であるかどうかの視点はありませんでした。実はここに日本に住んでいて黒人に対する差別を頭の中でしかイメージできない一般的な日本人の限界があるようです。

実際に米国在住経験がある日本人から「実話であったとしても差別された側をファーストクラスに移動するしか解決策はないので少しも感動的な話ではない。ファーストクラスに移動できたからと言っても現代のアメリカ社会ではご本人も喜ばないし感謝もしないだろう。40年前なら話は違うと思うが。」という指摘をいただきました。

すみません、すみません、この視点はありませんでした。言われてよく考えると、ファーストクラスにアップグレードしたと言っても、差別される側を見えない所に隔離しただけの話のように思えてきました。

さて、登場人物を日本の身近な人達に変えた上の話に、あなたは感動しましたか、イイ話だったでしょうか。

元ネタはイイ話だったのに上の話がいいと思わなかったのであれば、その違いは何でしょうか。

私は東南アジアを含めいろいろな国の方と仕事させていただいた経験があり、自分では人種差別はないと思っています。(頭の中で思っているだけです)しかし、正直に言って自分の中にも他者に対する別の差別意識はあります。根が深い難しい問題です。

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