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【東京箱庭鉄道】走れ!鉄道プロジェクトマネージャー!

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「400億円で東京に鉄道をつくって欲しい」

あなたが突然言われたらどうしますか。

「テツドーをつくっていただきたいのです」

「テツドー?」

意味がわからなかった。

「太い二本のレールの上をがったんごっとんと走る鉄道、ありますよね。あの鉄道を、ぜひともあなたに、こしらえていただきたいのです」

原宏一の「東京箱庭鉄道」を読みました。

近所の本屋に「ThinkPadはこうして生まれた」を買いに行ったのですが、入荷していませんでした。店内をぶらついていて、この「東京箱庭鉄道」が目に留まりました。数ページ読んだところで「これはおもしろい」と思い、買って帰って一気に読みました。

元広告代理店勤務、現在はアパートの大家兼交通誘導員アルバイトの妹尾順平は、牛丼屋で隣に座った謎の紳士から「鉄道をつくっていただきたい」と言われます。

紳士の素性を不審に思いつつ、広告代理店時代の同僚の木之元理恵を含む5人でプロジェクトチームを作って、鉄道開通に向けて突き進んでいきます。

この話は小説です。普通に読んで十分おもしろいです。私はプロジェクトマネージメントの事例と重ね合わせて読みました。

ネタバレになってしまうため、細かい説明は避けますが、「顧客が言っているものが、顧客の本当に欲しいものではない」ということが、この本から得た教訓です。プロジェクトの始めに顧客と意識合わせをきっちりしておく重要性を再認識しました。他にもプロジェクトマネージャーのあるべき姿について、考えさせられた部分がありました。

鉄道や「もしドラ」が好きな方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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