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オープンソースでオープンガバメント

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オープンガバメントの取り組みの一環として経済産業省が運営する「経済産業省アイディアボックス」(以下、新アイディアボックス)が事前公開になりました。新アイディアボックスの目的は、政策のアイディアを募集し、議論する国民参加サイトです。

新アイディアボックスでは、昨年の実証実験で確認された動作速度や機能上の問題を改善し、より多くの利用者と投稿数に対応できる性能を保持しています。また、グーグル、ミクシィ、ヤフー、ライブドア(五十音順)に登録済みの利用者が、すぐに新アイディアボックスを使い始めることができるOpenIDサービスに対応し、Twitter(ツィッター)他のソーシャルメディアとの連携が強化されています。

新アイディアボックスを受託・開発したのは、SugarCRMのユーザ団体を母体とした一般社団法人「オープンビジネスソフトウェア協会」です。私は協会の設立前から個人で参加していて、7人の理事の1人になっています。

国や地方の財政が厳しくなっている状況で、オープンソースソフトウェアを使って公共団体で使うシステムを開発することは、意義があることだと考えます。これからはオープンソースで「オープンガバメント」を推進すべきでしょう。オープンガバメントは日本ではまだ広く普及していない言葉だと思います。海外でオープンガバメントがどのように取り組まれているかは、経済産業省:「海外におけるオープン・ガバメントの取り組み」が参考になります。

オープンビジネスソフトウェア協会は、新アイディアボックスの仕組みを他の公共団体で採用されるように働きかけるとともに、分科会と研究会の活動を充実させていきます。現時点で、SugarCRM分科会、NetCommons分科会、オープンガバメント研究会があります。ソフトウェアプロダクト別になっているのが分科会、テーマ毎になっているのが研究会という位置づけです。

最初のお披露目として、来週のオープンソースカンファレンス2010 Tokyo/Springに出展します。お時間のある方は、オープンビジネスソフトウェア協会のブースにぜひお立ち寄りください。

オープンソースで日本を変えましょう。

【オープンビジネスソフトウェア協会プレスリリース

経済産業省の討議ウェブサイトを、無償公開ソフトウェア推進団体が構築
2010年 2月 16日

一般社団法人「オープンビジネスソフトウェア協会」がオープンソースソフトウェアを使って開発した「経済産業省アイディアボックス」サイト公開のお知らせ
このたび、一般社団法人オープンビジネスソフトウェア協会(代表理事 河村奨)は、経済産業省より討議サイト「経済産業省アイディアボックス」の開発と運用を受託しました。SaaS(サース)と呼ばれるソフトウェア配布によらない利用形態を通じて、国内データセンターより提供いたします。この討議サイトは平成22年2月16日に事前公開、同2月23日に正式公開となり、平成22年3月末まで運用されます。

本プロジェクトの最大の特徴は、オープンソースの顧客管理ソフトウェアである、「SugarCRM」をもとに開発を行い、プロジェクト終了後に完成したソフトウェアを広く一般に公開する点にあります。今後は、他省庁や自治体に対しても同様の仕組みの採用を働きかけ、「公開」によりさらに一般の方々への還元を実現する方針です。

当協会は、オープンソースソフトウェアに精通した技術者と利用者の有志で構成されており、平成22年1月20日に発足いたしました。顧客管理ソフトウェア「SugarCRM」をはじめ、業務向けのオープンソースソフトウェアの開発・啓蒙、および技術者と利用者の交流を事業の柱としています。あらゆる企業・団体に対して、オープンソースソフトウェアの導入や運用の支援を行い、ノウハウとニーズの集約・公開を通じ、利用者と開発者の双方を支援いたします。

本プロジェクトにあたっての私たちの思いは、行政主体の公共的な意味を持つプロジェクトは、その成果だけでなく、プロジェクトを実施するために作られたソフトウェアを含めて、原則として公共財となるべきであるということです。その方針のもと、当協会では公共プロジェクトの成果物をオープンソースとして公開していきます。これにより、「ソフトウェア開発会社による囲い込み問題」を解決し、誰もがソフトウェアの利用や改変をできるようになります。当協会は、このように「自由」なソフトウェアが活用される社会を推進いたします。

「経済産業省アイディアボックス」とは
平成21年に実施された「電子経済産業省アイディアボックス」(以下、旧アイディアボックス)の次期プロジェクトです。「旧アイディアボックス」は一ヶ月間の限定された開催期間であったもかかわらず、約70万回の閲覧数、1,706件のアイディア・コメントの投稿など、予想を大きく上回る好評を博した国民参加型の討議サイトとなりました。

「経済産業省アイディアボックス」は、「旧アイディアボックス」の動作速度や機能上の問題を改善し、より多くの利用者と投稿数に対応できる性能を保持しています。また、オープンソースソフトウェアを採用することで、システム構成の自由度が高く、技術者の確保が容易などの利点があります。さらに、グーグル、ミクシィ、ヤフー、ライブドア(五十音順)に登録済みの利用者が、すぐに「経済産業省アイディアボックス」を使い始めることができる「OpenID(オープンアイディー)」サービスに対応し、日本でも近年利用者が急増しているTwitter(ツィッター)他のソーシャルメディアとの連携が強化されています。

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