オルタナティブ・ブログ > てくてくテクネコ >

顧客サービスとITのおいしい関係を考える

沖縄で人を育てる仕事

»

4日間の沖縄出張から帰ってきました。今回の出張の目的は、APITT(Advanced and Practical IT Training:先進・実践結合型IT産業人材育成)の講師でした。

APITTは琉球大学 産学官連携推進機構の高度IT人材養成事業です。文部科学省の予算を使って、琉球大学の教員と企業の一線技術者による産学連携の体制で集中研修を行います。研修員(受講者)は地元の企業から送り込まれる社会人です。システム開発、ネットワーク構築、プロジェクトマネジメント、研究型OJT等のコースがあり、それぞれ4ヶ月間集中して勉強します。

私は「ネットワークサーバ」のコースを担当させていただきました。2日間の短い間でしたが、Linuxを実際に動かしながら、DNSサーバ、Webサーバ、SMTP/POPサーバの構築を説明しました。予想外の機材トラブルがあったものの、予定通り無事に終えることができました。プロとしてお金を頂いて教えた以上、きっとご満足いただけたと自負しています。(ただ、受講者のアンケート結果はちょっと気になります。いや、きっとよいに違いない。でも心配。)

琉球大学は国立大学で3番目に敷地面積が広い大学です。11月の沖縄は暑からず寒からず、長袖シャツ1枚で過ごせる気持ちのよい気候でした。キャンパスのベンチで風に吹かれながら、日常の仕事から離れていろいろ考えました。

かつて株式会社アスキーの創業者の西和彦氏は、「出版は紙の上のインクのシミ、LSIはチップの上のシリコンのシミ」と言っていました。人は一定の年齢に達すると、次世代の教育に興味が移ることが多いようです。アスキーが日本のパソコン創世記における役割を終えた後、西氏は大学の教員になりました。今なら「教育は脳の上のタンパク質のシミ」と言うのでしょうか。

弊社のNetCommonsビジネスでは、Webサイト構築やカスタマイズではなく、利用者が自立するためのトレーニングを提供することをメインにしています。今回の出張で教育にさらに興味が出てきました。

東京を遠く離れてテレビのニュースを見ていると、ワイドショー並にショーアップされた事業仕分けや、立場が逆になってお互いを非難している議案の強行採決は、遠い国の話のように感じます。予算の節約は必要ですが、国としてどこにお金を使うべきか、しっかりしたビジョンを持っていただきたいです。私は科学振興や人材教育は重要な分野だと考えます。

今後も沖縄と繋がりを保って人を育てるお役に立てれば幸いです。

Comment(0)