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若者に車が売れないのは「リアル離れ」かもしれない

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10日ほど前に、トヨタ自動車の幹部が「家庭用ゲーム機がいけない。あんなリアルな遊びがあったら、車なんか要らなくなっちゃう」と言ったとかで話題になりました。この記事を紹介したブログには「収入が低くて車を買えない」「維持費がかかり過ぎる」などのコメントが寄せられています。では、若者が十分な現金を持っていたら、果たして車は売れるのでしょうか。

去る10月23日に株式会社キャッチボール・トゥエンティワン・インターネット・コンサルティングで開催された第2回CMSビズで、株式会社手嶋屋 代表取締役 手嶋守氏の講演がありました。手嶋屋はSNSソフトウェア「OnePNE」を開発して、オープンソースで公開しています。「OZ、マトリックス、電脳と言った50年後の仮想現実の世界が、2009年はどんな姿であったか?それを考え、開発するのがOpenPNEプロジェクト」なのだそうです。

手嶋氏は「世の中は仮想現実の方向に向かっている。またそれを実現するように手嶋屋は活動している」と話しました。その例として、映画「マトリックス」シリーズで、人間側の登場人物がマトリックス側のスミスと仮想の豪華なレストランでぜいたくな食事をしながら「現実よりこっち(マトリックスの中)の方がいい」と言って懐柔されるシーンを挙げました。薄暗いスペースシップでオートミールのような不味そうな食事をするより、仮想の世界であっても贅沢ができた方がいいという考えです。「現実世界より仮想世界の方がいいと考える若者が増えている。サンシャイン牧場が流行ったり、携帯の魚釣りゲームで釣り竿アイテムにお金を払ったりするのは、その動きの表れと考える」とのことでした。

先日のモーターショーの話に戻ります。

YouTubeに代表される動画配信は、以前は画像が荒くて臨場感の乏しいものでした。また配信されている内容も種類は多くありませんでした。この程度であれば、動画で会場の雰囲気を見てモーターショーの会場に行きたくなることが多かったかもしれません。しかし、今やYouTubeはHD画質の動画を配信できます。また動画を投稿する人が爆発的に増えたことで、会場の隅々まで好みの場所を動画で見ることができるようになりました。これだけ環境が整っていてさらに会場に行くのは、よほど興味がある層だけなのではと思います。

車で各地を旅行するテレビ番組がたくさんあります。Googleストリートビューを使えば、一軒一軒の家の様子までわかります。現地に行かなくても、行ったつもりになることは可能です。

高性能な車を買っても、リアルの世界では最高速度を出して楽しむことはできません。それなら「ゲームの【リアルな仮想現実】の世界で、高級車を思う存分走らせてクラッシュさせる方が楽しい」という考え方が出てきても不思議はないかと考えます。

「若者の○○離れ」がいろいろ挙げられています。「若者のリアル離れ」が起きているのではないか、という仮説で考えてみると何か発見があるかもしれません。

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