【日本の、これから】って何だかなあ
NHKで2月7日に放送された「日本の、これから」を見ました。今回のテーマは「雇用」です。その前の時間帯の「緊急報告・製造派遣は何をもたらしたか」を合わせて、連続3時間の雇用特集でした。
「日本の、これから」は、スタジオに一般の市民と有識者が集まって、日本が直面している様々な問題を議論する“予定調和なし”の生放送番組です。
これまで「格差社会」、「年金」、「裁判員制度」などを取り上げてきましたが、今度のテーマは「雇用」です。
(番組のWebサイトより引用)
「日本の、これから」は不定期に放送されている番組です。テーマは毎回変わります。6名くらいの「有識者」なる人と、20名くらいの「市民」と呼ばれる人が会場に集まって、NHKが用意した映像・統計資料や放送中に視聴者から寄せられたアンケート結果を元に議論するスタイルです。
私は以前の「格差社会」他の回でこの番組を見ました。毎回のことながら、この番組は「何だかなあ」です。
番組内で設定されるアンケートの質問に、すでに無理があります。「○○について是か非か」の二者択一なのです。それを元に、立場やバックグラウンドが異なる有識者や市民が、前提条件や想定する範囲もナシで議論するのですから、まともな議論になるわけがありません。以前の回では、有識者から「その設問自体がおかしい」と突っ込みを食らったこともありました。このへんは、“予定調和なし”の生放送番組のオイシイ所でした。結局、いつも議論が不完全燃焼のまま、時間切れになります。
私はワーキングプアや雇用の問題には以前から関心を持っています。でも、この番組に全く期待できなくて、「製造派遣は何をもたらしたか」を見た後で、「銭ゲバ」にチャンネルを変えてしまいました。ですので、「日本の、これから」を見たのは後半だけです。
前半にどのような有意義な議論があったのかわかりませんが、今回も「ワークシェアリングに賛成、反対」のような設問で、議論が迷走していました。ワークシェアリングとは、正社員間だけのシェアを意味するのか、正社員と非正規社員の間も含むのか、各自が勝手な思い込みと想定で発言していました。
最後の設問は「終身雇用の社会と再チャレンジできる社会のどちらがいいか」だったと思います。普通に考えて、二者択一になるような話ではないでしょう。企業側も働く人もできるだけ終身雇用(企業に長く勤めてほしい、長く勤めたい)の方が望ましいけれど、万一、勤務先の企業が倒産・経営危機になったら、別の仕事で再チャレンジできるようにして欲しい、ということではないでしょうか。
今回も最後まで「何だかなあ」のまま、時間切れになりました。