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顧客サービスとITのおいしい関係を考える

リピーターになってもらう顧客サービス

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先日の夜にあるレストランで食事をしていました。この店は安いとは言えない価格帯であるにもかかわらず、外に長い行列ができる繁盛店です。料理の味だけでなく、スタッフのサービスもキビキビしていて良いです。

隣のテーブルは女性の二人客でした。そのうちの1人が誤ってジンジャエールの入ったグラスを倒してしまい、間の悪いことに他の皿とぶつかってグラスは割れてしまいました。

幸い濡れたのはテーブルの上だけで済みました。店のスタッフがすぐに来て片付けでくれました。ここまでは普通の対応です。女性はグラスを割ってしまったことで恐縮していました。

私が感心したのは、その後でスタッフが新しいジンジャエールが入ったグラスを持って来たことです。女性が自分で倒したわけですし、すでに半分くらい飲んだ後でしたから、代わりを新しく出さなくてもいいんじゃないかという判断もアリだと思います。それをあえて出すところに、この店の繁盛の理由の一つを見たような気がしました。

女性客のグラスを割ってしまったというショックは、この対応によって軽くなったのではと思います。この女性は次回も店に来てくれるのではないでしょうか。料理の値段と比べれば、ジンジャエール1杯の原価は多寡がしれています。1杯サービスした形にはなりましたが、損して得取れです。

店舗のリピーター獲得と言うと、ポイントカードのような会員制値引きに話が行ってしまいがちです。確かにポイントカードも有効かもしれませんが、今回のような「マイナスの顧客体験に対する適切なフォロー」というのも、リピーター獲得につながるサービスに成り得ると考えます。

あなたの会社(店)では、自分が原因でバツの悪い思いをしているお客様に、さらに追い打ちをかけるようなことをしていないでしょうか。例えば「そんな使い方をしたら壊れるのは当たり前です。」のような言い方をしていませんか。

マイナスの顧客体験はどのようなものが考えられるのか、それに対してどんなフォローをするのがいいのか、一度点検してみてはいかがでしょうか。

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