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人生ゲーム発売40周年 貧乏農場の思い出

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人生ゲームが国内発売40周年になりました。これを記念して11年ぶりに全面リニューアルされた6代目「人生ゲーム」が発売されます。

私は人生ゲームに思い入れがあります。

初代人生ゲームは1968年9月に日本で発売されました。盤面のコマの色は、初期型が黒、後期型が青だったそうです。私が子供の頃に遊んだ時の記憶は黒なので、発売されてすぐの頃だったと思われます。友達の家で遊んですごく気に入ってしまい、その友達の家に行くたびに人生ゲームをやっていました。(ただし私の家では人生ゲームは子供の教育上好ましくないとされていて、自分で買ったのはそれからずいぶん後でした。)

初代版は米国の「THE GAME OF LIFE」をそのまま翻訳したものだったそうです。盤面のコマに書いてあるイベントがアメリカンなノリで好きでした。今でも覚えている最もお気に入りのイベントは、「火星から使者が来た ごちそうして$5,000はらう」です。これは踏んでしまうとすごく悔しいおバカなイベントでした。

人生ゲームは双六のようなゲームで、ゴールした時の所持金で順位が決まります。先頭で橋を渡った人は後から来る人から通行料を徴収できるなど、先行者有利のルールになっています。初代版では始まってすぐに道が就職と進学の2つに分かれていました。就職コースの方がコマ数が少なく先行するには有利なのですが、ここで目先にとらわれて就職コースに進んではいけないというのが鉄則です。回り道でも進学コースに進む方が月給が高くなって、最後には勝ちやすくなります。運良く医者にでもなれれば半分勝ったようなものです。ゲームの勝ち負けがスタートしてすぐの就職か進学かで決まってしまうとは、金持ち父さんもびっくりの格差社会です。モノポリーと並んでアメリカンなゲームだと思います。

ただし誰でも逆転できるチャンスが一度だけあります。どうやっても勝つ見込みがない場合は、ゴール直前でルーレット一発勝負に賭けることができます。見事ルーレットの数字を当てることができれば、大立て者(死語ですね)になって勝利者です。しかし、はずしてしまった時は「貧乏農場」行きになって最下位決定になります。

ああ、貧乏農場。

インパクトがあって子供にもわかりやすいベタなネーミングです。アニメ「タイガーマスク」の最初のテレビ放送のエンディングテーマ曲「みなし児のバラード」にも通じる、昭和の時代を感じます。人生ゲームの当時のテレビCMでは「億万長者になるか、貧乏農場に行くか」というナレーションをバックに、雷鳴がとどろく暗雲の下で畑を耕す映像が流れていたような記憶があります。

さすがに貧乏農場はインパクトありすぎで、クレームが付いたときいています。その後、「ゴーストタウン」に変わって、現在は「開拓地」になっているそうです。でも、貧乏農場、好きでした。

人生ゲームはバージョンアップする毎にその時の世相を反映した内容に変わっていきました。スポンサー限定版や地域限定版もあったようです。ホリエモン監修の「人生ゲームM&A」というバージョンもありました。(余談ですが、例の事件後に人生ゲームM&Aは販売中止となりました。オークションなどで絶版&レアものという宣伝で売られていますが、実際は新品がかなりダブついているようです。)

私にとっての人生ゲームはなんと言っても初代版に限ります。日本的になって毒気が抜けてしまった今の人生ゲームには興味がありません。何年か前に販売されていた人生ゲーム初代復刻版を買っておかなかったことを残念に思うことがあります。

WiiやPS2の人生ゲームもありますが、たまには集まってボードゲームで遊ぶのはいかがでしょうか。

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