顧客の期待を引き算してはいけない
ある集まりで懇親会をしました。メニューは鍋のコース、飲み物は飲み放題ということで店を予約してありました。
店に入って落ち着いた時に、飲み物のメニューを示されました。普通の1杯いくらのメニューで、日本酒、ビール、焼酎などに分かれて、お酒の銘柄毎に値段が書かれていました。
店の人が言うには、「飲み放題は、日本酒は○○以外で。焼酎は△△と□□はダメです。…」とのことでした。つまり、単価の高い銘柄は飲み放題に含まれないようです。
うーん、こういうのはどうなんでしょう。
普通のメニューを見せられた後で、「あれはダメ、これは除く」というのは、お客の側としては楽しくありません。酔って注文する時に、いちいちどれがダメかなんて考えたくないです。顧客満足度で考えてうまいやり方とは言えません。
このような場合は、普通のメニューとは別に飲み放題専用のメニューを作っておいた方がいいのではと思います。飲み放題にする銘柄を店で決めたいのであれば、単に「日本酒」「ビール」、「焼酎」とだけ書いておけばいいのです。実際、こういう飲み放題のメニューのお店はあります。お客としては、最初から銘柄を見なければ、何が出てきても気にならないでしょう。
同じことは、コンサルティングや営業の現場にも言えます。
商談の時に「なんでもできます」と安請け合いしたり、あまりに高額なコンサルティング料を設定したりすると、当然ながらお客様の期待が高まってしまいます。結果的に高い期待に応えられない場合は、お互いに不幸な事態になるでしょう。
事前のお客様の期待をほどほどにとどめておき、結果として予想以上の成果を足し算することで、お客様の満足度が上がると思います。お客様の期待を後から引き算してはいけません。
(コンサルティングの会社として、弊社でもお客様の期待以上の成果を出したいと日々考えているのですが、実際はなかなか難しいこともあり悩むところでもあります。)