グリーンITはスパムメール撲滅から
今年もよろしくお願いいたします。
今年のIT業界のキーワードになりそうなのが、「グリーンIT」です。
巨大データセンターで膨れあがる電力消費や排熱が、環境保護の観点から大きな問題になってきています。そこで米国を中心に、環境保護に配慮した情報通信技術を指す「グリーンIT」という概念が出てきました。
グリーンITは、データセンターを中心に省電力化を目指しています。省電力化のための様々な技術として、CPUの省電力化、液体冷却、サーバーの統合、空調設備の電力制御などがあります。
このような技術面での改善は必要ですが、既存設備を無駄なく使うことで消費電力をこれ以上増やさないようにするというのも重要ではないかと考えます。
既存資産の無駄遣いの1つはスパムメールです。
英Sophosの発表によると、2007年第1四半期のスパムの量は前年同期と比べて4.2%増加したそうです。
スパムを発信している国のランキングとシェアは以下のようになっています。
1 米国 19.8%
2 中国(香港含む) 7.5%
3 ポーランド 7.4%
4 韓国 7.0%
5 イタリア 5.0%
同じく2006年第1四半期は以下の通りでした。
1 米国 23.1%
2 中国(香港含む) 21.9%
3 韓国 9.8%
4 フランス 4.3%
5 ポーランド 3.8%
米国は微減、中国は大幅減少の一方で、ヨーロッパを中心にスパム発信国が分散する傾向にあるようです。
今やスパムは世界的な問題です。私のメールアドレスにも海外から英語のスパムが毎日たくさん届きます。
米Postiniの発表によると、スパムの割合が過去最高の93%(2006年11月の時点)を記録したそうです。正規のメール1件につき,12件のスパムが来ていることになります。まともなメールよりもスパムの方がはるかに多い状況です。
この膨大なスパムを伝達するために、途中のネットワーク回線、ネットワーク機器、メールサーバーが無駄に使われていることになります。ハードウェアや電力以外にも、スパム対策のための労力・人件費・設備投資まで含めるとたいへんな無駄です。細かい所では、個人が自宅のPCにインストールしているウィルス対策ソフトの費用や迷惑メールスキャンのためのCPU使用率も含まれるでしょう。
グリーンITを言い出した米国がスパム発信元の約4分の1を占めているのは、矛盾を感じます。スパムは地球の資源を無駄にする重大な犯罪として、断固とした取り締まりと処罰を期待したいものです。